未来のデニムの主成分はプロテイン。バイオ繊維が起こすサステナブルな革命
デニムは「どこで作られたか」も個性のひとつ。“Made in ○○○”。この空欄に何が入るかで印象は変わってくる。USAなのか、JAPANなのか、いわばデニムの肩書のようなもの。 ▶︎すべての写真を見る このヨークのデニムはどこで作られたかというと“Made in プロテイン”である。ちょっと何言ってるかわからないと思うので説明すると、プロテイン(=タンパク質)由来のバイオ繊維を使ったデニムなのだ。 その繊維とは、山形県鶴岡市に本社を構えるスパイバーが開発した「ブリュード・プロテイン™」。植物由来の原料をもとに、微生物発酵のプロセスを経て作られたサステナブルな素材だ。 今季ヨークではこの素材を使用して、ほかにニット、スウェット、長袖Tシャツ、Tシャツを発売。今後のコレクションにも継続的に使用する予定なのだとか。 「素材ならインではなくメイドオブでは?」というもっともなツッコミもある。しかしタンパク質は人間の身体を構成するものだけでも数万種類あり、タンパク質を構成するアミノ酸の組成や配列はすべて異なる。 機能も特性も多種多様。つまり、この「ブリュード・プロテイン™」のように優れた服の素材となりうる未知の配列が無数に眠る、別の世界なのである。 我々のデニムライフを持続可能にする革命家。この素材が浸透すれば、こちら側の世界も必ず変わるはず。 清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 加瀬友重=文
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