餅の喉詰まりに注意 日本赤十字社、予防と対処法を周知 食べる前には水分を飲んで喉を湿らせ、細かく切って食べることが重要
年末年始になると餅を食べる機会が多くなる一方、喉に詰まりやすく、誤飲や窒息の危険性もある。喉に詰まらせないために、日本赤十字社では食べ方、食べる前の準備、詰まった際の対処法を周知している。 男性死亡…餅が喉に詰まり心肺停止
日本赤十字社県支部の救急法指導員の村山卓也さん(52)によると、餅は特に高齢者が詰まらせやすい傾向にあるという。喉の筋力が衰えることで飲み込む力や詰まった際に自分で吐き出す力が弱ってしまう。餅を食べる前には水分を飲んで喉を湿らせ、餅を細かく切って食べることが重要だと話した。 食べるときの姿勢も大切で、(1)かかとを床につける(2)背もたれに寄りかからない(3)前かがみの姿勢、などを意識する。ソファでは背もたれに寄りかかりやすくなるため、さらに注意が必要だという。 もし詰まってしまった際には、まず自分でせきができるかを確認。できなかった場合には近くにいる人が気道異物除去の作業を行うとともに119番する。 初めに行うのは背中をたたく「背部叩打法」。傷病者の頭をできるだけ低くし、傷病者の体を片方の手で支え、もう片方の手を広げて手のひらの付け根で傷病者の肩甲骨の中間を何度も強くたたく。
背部叩打法でも除去されない場合は「腹部突き上げ法」を行う。傷病者を後ろから抱くような形で腹部に腕を回し、片方の手で握りこぶしをつくって親指側をへそのすぐ上に当てる。もう一方の手で握りこぶしの上から重ね、両手を自分の方に引き上げる動作を繰り返す。腹部突き上げ法は内臓を痛める危険性があるため、除去された場合でも医師の診療を受ける必要があり、幼児や妊婦、高度の肥満の人には行わないことを推奨している。 背部叩打法と腹部突き上げ法を交互に行い、意識がなくなった場合には心肺蘇生を行う。 準備をすればリスクが減る喉詰まり。村山さんは「一工夫で事故を防ぐことができる。高齢者がいるときはお互いに目配りをして、いざというときにはちゅうちょなく実践していただきたい」と呼びかけた。