俺が球界の『エド』になろうかな【川口和久のスクリューボール】
則本への違和感
8月14日の則本。好調時とは別人のようだった/写真=田中慎一郎
最近はまっているテレビ番組がある。ディスカバリーチャンネルの『名車再生! クラシックカー・ディーラーズ』だ。イギリスの番組だけど、ボロボロになった昔の名車を買って、塗装し直すだけじゃなく、エンジンもばらし、細かな部品を交換したりしながら生まれ変わらせ、オークションで売るというもの。エドという修理担当の職人がしぶくていい。 ある試合を見ながら、俺はこの番組を思い出していた……。 8月14日の西武─楽天戦(メットライフ)だ。俺は楽天の先発投手を見て、不思議な違和感があった。「あれ、顔は則本だけど、これって、本当に則本なのか」って。 2013年楽天に入団し、6年連続2ケタ勝利、奪三振も2年目の14年から4年連続200以上の則本昂大だ。身長はそれほど高くないが、無類のパワーで迫力満点。特に俺は彼の逆Cの字が好きだった。速球投手の証明みたいな部分だが、リリースの前に背骨がしなるような逆Cの字になる。ほとんどイナバウアーかと思うくらい体を目いっぱい使い、そこから150キロの力強い真っすぐをドンドン投げ込む。見ていて惚れ惚れした。 今年、開幕から3勝はしたが、そのころから、あれっと思っていた。セットポジションで投げるのはいいが、・・・
本文:1,553文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
週刊ベースボール