東京国際映画祭コンペ審査委員が会見、初体験の橋本愛「思い切り映画に浸りたい」
第37回東京国際映画祭のコンペティション部門の審査委員を務めるトニー・レオン、エニェディ・イルディコー監督、橋本愛、キアラ・マストロヤンニ、ジョニー・トー監督が29日、会見した。 東京国際映画祭コンペ審査委員が会見、初体験の橋本愛「思い切り映画に浸りたい」 審査委員長のレオンは、「また東京に来られてうれしい。審査委員長は名誉なことで、たくさんのいい作品に出合えると思う」と期待。コンペには中国語圏の映画が5本と3分の1を占め、日本映画も3本入っているため選考の偏りを指摘する声が上がったが、「アジア映画はハイクオリティな作品が多く、毎年たくさんの素晴らしい作品を見ることができている。コンペにこれだけのアジア映画が入っていることはうれしく、いい結果を出せるようにしたい」と語った。 審査委員として映画を見る視点について問われると、「小さい頃から映画館に週4、5回行っていたが、それは楽しむため。審査委員となると皆で議論しなければいけないし、これだけの素晴らしいメンバーなので僕は勉強不足で頭が悪いのではないかと思ってしまう」と謙そん。その上で、「一生懸命見て、間違ったことをしないよう自分に言い聞かせています」と気を引き締めた。 橋本は、フェスティバル・ナビゲーターを2度務めるなど同映画祭とは縁が深いが、審査委員は初の体験。「心から光栄で、人生で2度とないかもしれないので思い切り楽しみ映画に浸りたい。論理的な視点を持って、緊張感を保ったまま1本1本、大事な記憶として残していきたい」と意欲を見せた。 イルディコー監督は、「映画祭は隠れている宝を発見する場。芸術作品に対して、自分たちの感覚を通し知性を持って見ていきたい」と抱負。マストロヤンニは、「知らない人たちと映画を観賞することは素晴らしい体験。審査委員の一員として責任はあるが、見る上において感覚的な違いはない」と持論を展開した。 ベテランのトー監督は、「年に何回も来日しているし、今回もトニーにおいしい店を教えてもらって毎日、美食を楽しんでいるよ。でも、仕事もしないとね」とマイペース。それでも、「先入観や大きな期待を持って見ると失望してしまうことが多い。直感で見た方が喜びがあるし、素晴らしい映画を発見しアジア映画のためにも貢献したい」と話した。 取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元