ハンセン病元患者の家族が提訴 養子縁組が遅れ補償不支給
法律上の養子になる時期が遅かったために「ハンセン病元患者家族補償法」の対象にならないのは不当だとして、沖縄県の男性(83)が国に決定取り消しなどを求めた訴訟の初弁論が25日、福岡地裁であった。国は請求棄却を求めた。 訴状などによると、原告男性は13歳だった1953年ごろ、沖縄県内の療養所で暮らすハンセン病元患者で後に養父となる叔父について母親から知らされ、沖縄の習俗である「トートーメー」(位牌(いはい))を継いで養子となるよう言われた。 養父とは療養所を訪ねる形で交流を続け、2002年に法律上の養子縁組を結んだ。 08年に養父が亡くなった後の20年12月、男性は同法に基づく補償を請求。だが、国は「らい予防法」を廃止し隔離政策を終えた96年3月末までに家族関係があった人が対象だとして、22年3月に不支給を決めた。
朝日新聞社