亀梨和也主演ドラマ『FINAL CUT』 藤木直人の“嫌な奴”っぷりがハマる
1月9日にスタートしたKAT-TUN・亀梨和也の主演ドラマ『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)は、23日放送の第3話の視聴率が6.5%と低迷しているが、私はけっこう楽しんで観ている。 初の復讐劇となる亀梨は期待を裏切らないカッコよさを見せているが、藤木直人扮するワイドショー司会者・百々瀬塁に、ムカつきながらもついつい引き込まれている。ルックス的にはさわやかなイケメンキャラの藤木だが、”とんでもない奴”を怪演しているのが気になるのだ。
“嫌な奴”役がハマる藤木直人
『FINAL CUT』のストーリーはこうだ。12年前、中村慶介(亀梨)の母、恭子(裕木奈江)が経営する保育園の園児が何者かに殺害された。百々瀬が司会を務めるワイドショー「ザ・プレミアワイド」は、恭子が犯人であるかのように事件を取り上げた。世間からの誹謗(ひぼう)中傷にさらされ、追い詰められた恭子は、ついに自ら命を絶ってしまう。慶介は12年後、警察官となり、事件の真相に迫っていく。”ファイナルカット”という致命的弱点を捉えた映像を使って母親を死に追い込んだ番組関係者を次々と制裁していく。栗山千明、橋本環奈、林遣都ら豪華な出演者が揃う中、藤木のやや大げさともとれる演技がひときわ光っている。 藤木といえば、これまでにも“嫌な奴”を演じたドラマがあった。中谷美紀主演のラブコメディー『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系、2016年)だ。アラフォーヒロインの橘みやび(中谷)が女友達と訪れる割烹料理店「とくら」の店主・十倉誠司を演じた藤木。超ドSな毒舌恋愛スペシャリストという役どころで、みやびが来店するたびに大きなお世話だと思わせる毒舌を放つのだ。さわやかなルックスと毒舌とのギャップが面白くもあった。 松本清張原作の『夜光の階段』(テレビ朝日系、2009年)では、カリスマ美容師・佐山を演じた。のし上がるために自分に好意を寄せる女性を利用しては、邪魔になると次々に殺していく。画面に向かって「殺してやる」と放つセリフが話題をよんだ。 また、“嫌な奴”とはちょっと違うが、『高校教師』(TBS系、2003年)は、「恋愛」と「依存」の違いを大きなテーマとして扱った問題作で、藤木は脳腫瘍を患い、余命わずかの数学教師・湖賀に扮した。禁断の恋に発展する相手の女子高生・町田雛は上戸彩が演じた。つねに感情を押し殺した湖賀の表情は、今までの藤木のイメージを大きく塗り替えた。 そして今作は、テレビのワイドショー番組にありそうな隠蔽工作を描いている。ここで藤木は敵役となるメディア側の人間を演じている。番組会議のシーンでのスタッフに対する百々瀬のひどい言動が、ネットなどで「藤木直人イラつく~~」、「恐ろしい……狂気を感じる」、「藤木直人さんのヤバイ人演技すご」などと視聴者の反響も寄せられている。スカッとする結末を期待しつつ、“嫌な奴”、藤木を見守っていきたい。 (文・田村豊)