15歳・山下数毅三段、竜王戦6組準Vでプロ入り条件獲得ならず「いい勝負になりそうだったので残念です」
将棋の第37期竜王戦6組ランキング戦決勝が21日、大阪・関西将棋会館で指され、山下数毅三段は後手番の藤本渚五段に132手で敗れ、挑戦者決勝トーナメント進出を逃した。 奨励会員初の竜王戦6組Vはならなかった。ベテランの九段から、女流棋士、アマチュアも含む70人が参戦したトーナメントまであと1勝だった15歳だが、18歳の若き実力者・藤本に終盤で逆転を許した。 山下が勝てば、2020年度に導入された竜王戦の規定通り、今期の三段リーグ終了後(勝率2割5分超えが条件)に「次点1」が付与され、23年度前期リーグ(3位)の次点1と合わせて「次点2」でフリークラス編入=プロ入りの資格を得る大一番だった。 対局は26、27手目で角を交換。互角の形勢が続いたが、終始、体を前後に揺らして考え続け、中盤は優位に運んだ。「序盤は想定した展開から外れて、ちょっと苦しそうだったが、何とか盛り返せた」と山下。しかし、6筋の銀の攻防の辺りから気配が怪しくなり、夕食休憩前後に形勢を損ねた。「急に悪くなってしまって…。いい勝負になりそうだったので残念です」と、うつむきながら話した。 藤本との決戦は「普段からVS(練習対局)で教えていただいている藤本先生と竜王戦6組決勝という場に立てたことをうれしく思います」。準Vのため、来期の竜王戦は昇級して5組で戦う。6組での戦いは「どれも厳しく、実力不足を痛感しました」と振り返ったが、さらに上位のトーナメントでは「序中盤の精度を高めて、よりよい将棋を指したい」と話した。 9月まで続く今期の三段リーグは現在、全18局でのうち4局を戦い、3勝1敗(今月5日時点)の好ペース。上位2人に入れば正規ルートで四段に昇段。3位なら次点2回となり、プロ編入が可能となる。高校1年生の挑戦はまだまだ続く。
報知新聞社