「教職をブラックと呼ばないで」現役教師やOB・OGが語る学校のリアル
“教職”に感じる学生のホンネ
長崎県教育委員会の担当者は2024年5月長崎大学を訪れ、教師を目指す学生たちに仕事に対するイメージを尋ねた。 教育学部の学生からは「子供たちの初めてに携われたり、できないことができるようになる瞬間に一番携われる職業じゃないかなと思っているので魅力的に感じている」「(先輩から)朝早く行って夜遅くまでやるのが多いみたいな話を聞くのがあって、残業が多いのかと」「ブラックなのかそうでないのかまだ分からなくてまだ不安がある状態」「どんどん色んな改善をしていって、これからはよくなることしかないと知り合いから言われているので希望を持っている」といった声が聞かれた。 学生たちも気になっている「勤務時間」。 文部科学省が2022年度に行った実態調査で、教師のひと月あたりの平均残業時間は小学校で41時間、中学校で58時間だった。様々な特性を持った子供たちもいて、一人一人に目を配ることが難しいこともある。
大変な中でも得られるもの
馬場先生はそんなとき授業の支援に入る「サポーター役の先生」がいると、子供と向き合う時間が増えると考えている。 『子どもたちとの出会い」は教職の大きな魅力です。純粋な心をもった子どもたちと接し、大人の発想では思いつかないことに触れ、心が豊かになります。(中略)教育は人間と人間が接する場であるからこそ、大変な面もありますが、喜びも大きなものがあります』(「教職をブラックと呼ばないで~学校現場からのお願い~」馬場奏子先生の手記より) 長崎市立高尾小学校・馬場奏子先生: 「きょう楽しかったよ」とか「きょうの勉強分かったよ」とか子供たちのその言葉でやりがいというか、きょうも1日頑張れてよかったとかいうところが教職の仕事って大きいところがあるかなと思う。 子供たちの成長を目のあたりにできる教職に多くの若者についてほしい。そう願う現場教師やOB・OGのメッセージが込められた本『教職をブラックと呼ばないで』。長年長崎大学で教師を志す学生の指導に当たり、この本を企画・自費出版した橋本健夫さんは編集後記で「教職を、華やかなゴールドではないが、読後にいぶし銀ともいえる深く力強いシルバーを思い浮かべた」と記している。 先生が明るく生き生きと輝き子供たちが健やかに育つ環境を整えるためにも社会が教育現場の声に耳を傾けることが必要だといえそうだ。『教職をブラックと呼ばないで』(長崎県内の書店で販売 1部1900円(税別)) (テレビ長崎)
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