便利すぎる環境が原因で“不器用な子”が増えている?「わざと不便な生活」をするママが語るメリットとは
突然ですが、我が家では掃除の時、掃除機やロボット掃除機を使っていません! 実は掃除機以外にも、意識して「わざと」少しだけ不便に過ごしている我が家。 「お金がなくて子どもに何もしてあげられない」と悩む親が見失っている、“体験格差”よりも埋めるべき“溝” なんで便利なものがあるのにわざわざそんな面倒なことをするの?と思いますよね。今回の記事では、我が家が「わざと」不便にしている理由とメリットを子どもたちの発達の視点からお伝えします!
わざと不便にする理由とは
私たち親世代が子どもの頃と比べ、とても便利になった今の世の中。 この20~30年で身の回りがどんどん機械化され、便利な道具が増えたことによって、わざわざ手を動かさなくても何でもできるようになりました。リモコンで全て操作ができるようになり、ロボット掃除機のボタンひとつで掃除が完了! なんならスマートリモコンの普及で、外出先からスマホでの遠隔操作で掃除ができてしまう、なんてこともありますよね。 便利なこと自体は助かるし大歓迎なのですが(私も自分が掃除をする時は掃除機を使います)、本来ならたくさん手や体を動かして発達していくはずの乳幼児期~就学初期ごろの子どもたちなので、経験したことのない動きが増えすぎると、「これは大丈夫なんだろうか?」と思うこともあったりします。 つまり、今の世の中、子どもたちにとっては日常生活をしているだけでは手や体が育っていかない便利すぎる環境になっている、ということです。昔の子どもたちと今の子どもたちでは、日常生活の中での経験値が全く違うものになってしまっていると感じています。
どんなところが昔と違う?
たとえば「水道の蛇口」。今はすっかり自動化が進み、手を差し出すと勝手に水が出てくるか、学校などでも蛇口ではなくバー方式になっているところがほとんどですが、昔は全てひねって水を出したり止めたりしていましたよね。 手首をひねる動きは、一見地味なように思えますが、子どもたちの手の発達にとっても大切な動き。1回1回はたいしたことじゃないかもしれませんが、積み重なると大きな差が出てきます。水道を使う回数が1日10回あるとしたら、出す時と止める時で1日20回×365日=1年でなんと7300回にもなります。この回数分手を使う機会が減っていると思うとバカにできないと思いませんか? 手首をひねる動きは、ペットボトルの蓋の開け閉めにも必要ですし、鉛筆を持って字を書く動きにつながっていく大切な動作です。不器用な子が増えていると言われている今日この頃、この小さな経験不足の積み重ねが子どもたちに迫っています。 思えば数十年前(今の子育て世代よりさらに一昔前)はお風呂を沸かすのにつまみをねじってガスを点火したり、テレビのチャンネルを合わせるのにダイヤルを回したりしていたはずです。私も祖父母の家での経験のみですが、これらの動作はしたことがありますし、電話のダイヤルを回したり、カセットテープを巻き上げたりと、昔は他にももっと手首を使う動作は多かったのだと思います。 こうやって考えてみると、今って本当に全然手を使わないなぁと実感します。 我が家では、この「経験不足」を無理なく日常の中で補えたらいいなという気持ちから、ちょっとした工夫を家の中でしています。