中日「最強の助っ人」と言われたビシエドは構想外なのか…交流戦で改めて注目される去就
パのスコアラーがビシエドに注目
「特にパ・リーグ球団のスコアラーがビシエドに注目しています。打撃については、ファームでの成績の通り、特に問題ないと判断されているので、グラウンドに出ていないときの一挙手一投足まで、しっかりチェックする予定だといいます。DH候補として獲得した場合、チームに貢献してくれる選手なのかどうかを見極めるそうです」(在京球団スタッフ) 例えば、今季初スタメンとなった16日の阪神戦。根尾昂(24)が阪神・原口文仁(32)に試合を決定付ける3ランを浴びた後、真っ先にマウンドに行き、声を掛けたのがビシエドだった。 「そうした細かい心配りや、チームを鼓舞する姿勢なども観察されていますよ。交流戦の間に話をまとめ、リーグ戦再開時にはトレードが決まるのでは、とみる他球団のスタッフもいます」(同) 中田を昇格させたことで、中日の一軍登録選手数はMAXの31人になった。 「中田が中日に移籍した昨年オフの時点で、ビシエドに興味を持つ球団は少なくありませんでした。トレードがまとまらなかったのは高額年俸に尽きます。ビシエドは22年から3年1000万ドルの複数年契約を交わしており、今季の支払い分は3億5000万円と言われています。獲得球団はその契約が基準になりますが、今季も新加入の外国人選手に泣かされている球団は多く、『未知数の外国人選手を緊急獲得するよりも、実績十分のビシエド』が欲しいというチームもあるようです」(前出・同) ビシエドの去就にはチームの支配下選手の問題も絡んでいた。中日は5月5日に前阪神外野手で育成契約していた板山祐太郎(30)を支配下に昇格させた。そのため、支配下選手数は68人となり、MAXの70人まで「あと2人」となってしまった。もっとも、シーズンに入ってから育成選手を昇格させる、あるいは70人枠のギリギリで試合をしているチームは他にもある。だが、中日の場合は少し事情が異なるようだ。 「残りの2人枠をどう使うかが、ペナントレース中盤以降のカギとなります。現在、中日の育成にはトミー・ジョン手術から復活した岩嵜翔(34)、成長著しい松木平優太(21)、先発転向で復活した岡田俊哉(32)の3投手が好投しています。しかも岩嵜と岡田は防御率1点台。でも、チームのバランスを考えると、今季中の昇格は無理だと思われます」(前出・名古屋在住記者) 現支配下選手68人の内訳は、投手32人、捕手6人、内野手16人、外野手14人。「投手人数がやや多め」だ。中日は先発、救援陣ともに好投手が多く、補強を急ぐ必要はない。