あなたの知らない札幌《札幌ドーム》後編 選手目線でグラウンドの広さ体感
【北海道・札幌】人口200万人の声も聞こえる北の大都市・札幌。その札幌には、多くの観光地や名物施設があります。とはいえ、札幌市民ですらそれらのすべてを知っているわけではありません。そこで不定期連載として「あなたの知らない札幌」と題した企画をスタート。第1回後編は、今年開業15周年を迎えた札幌ドーム(札幌市豊平区)の裏側を回るツアーについてスタッフに聞きました。(構成/橋場了吾) 【写真】あなたの知らない札幌《札幌ドーム》(上)野球とサッカーのグラウンドに
フィールドやドレッシングルームを回るツアー
札幌ドームは、五大ドーム(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)の中では2番目に容積が大きいスタジアムで、東京ドームは丸ごとすっぽり入ってしまう大きさを誇ります。そのため、フィールドを取り囲むように存在するお客さん用のスペースや、関係者用の内部スペースも大変広くなっています。 札幌ドームの裏側を見ることができる「ドームツアー」(開業当時から実施、有料)に参加する客には「お子さんだけでなく大人の方も迷子になりますので、お気をつけください」とアナウンスしています。(実際、筆者は何度も足を運んでいますが、ただでさえ方向音痴のため、座席を離れてしまうと最短距離で戻ることができた試しがありません)。 ドームツアーは、イベントの準備などで観覧不可になっていない日に開催されていて、約50分でドームの裏側を見学するというもの(日によって見学できる場所が変わるのですが、今回は基本的なコースということで話を進めます)。運が良ければ、「ホヴァリングサッカーステージ」の移動中、つまり野球場とサッカー場の転換場面に遭遇することもあります。 このドームツアーでは、客席はもちろん、フィールドやドレッシングルーム、ブルペンも見学することができます。誰もいない客席は、お客さんがいっぱいのドームよりもその広さが手に取るように感じられると思います。
バッターボックスでホームランの飛距離を体感
そしてフィールド。サッカー場は天然芝ですが、野球場は人工芝を使用しています。今の人工芝は3代目なのですが、初代から2代目に変わるときに大きな変化がありました。それは、「芝の種類」と芝を埋め込んでいる「マット」を変えたこと。芝の長さは少し長くなり、マットはより弾力の強いものになりました。この変化により、選手の足腰への負担がかなり減ったそうです。 グラウンドではバッターボックスの位置からドームを見渡すことができるので、ホームランを打つためにどれだけボールを飛ばさないといけないかが体感できます。またベンチにも入れますので、監督・コーチや攻撃回の選手たちがどのようにフィールドを見ているのかも分かります。ブルペンやドレッシングルームでは、緊張感を高めていく選手の様子も想像できると思います。
ちなみに、フィールドには北海道日本ハムファイターズの選手が使用している(していた)用具も展示していて、実際に触ることができます。今は稲葉篤紀さんのヘルメットとバット、中田翔選手のバット、陽岱鋼選手のスパイクを展示しています。 札幌ドームでは野球・サッカーのほか著名ミュージシャンのコンサートも行っているので、多くの札幌市民が訪れている場所かとは思うのですが、まだまだ知らないことがたくさんあると思います。ドームの周りには国内外のアーティストが手掛けた24作品も展示されているので、イベントがない日でもぜひ遊びに来てみてください。あなたの知らない札幌ドームが、見つかるはずです。