八木勇征「いじめは身近に」「当事者として考えて」…生徒への復しゅうを誓う教師を演じて思うこと
縦型でタイトな世界観
「『普通のカメラよりも応用がききやすいのかな』と思いました。でも、縦型だからこそ、よりタイトな世界観にもなるんですよね。寄りのシーンは特に。なので、『撮る側は難しいだろうな』という印象を受けました」 となると、縦型を意識した演技になりそうだが、八木は「そのカメラの枠の中で収まるお芝居をしようという思いは全くなかったです」と言葉に力を込めた。 「芝居が小さくなるし、伝えたいものも伝えられなくなるので。そういうのは全く関係なしに僕はやっていました。それを制作陣の皆さんが本当にうまく捉えてくださってたからこそ、撮影自体が成立したのかなと思います」 「もし、自分で縦型の作品を撮るとしたら」と問いかけると、「Vlogとかいいですよね。メンバーと撮るとしたらそういう感じになりそう」と返答。だが、「『最期の授業』以上のものは出てこないんじゃないでしょうか」と言った。 「第1弾ではありますが、お芝居の振り幅や全員の感情、その瞬間の心の揺らぎなど、『こんな作品は今後なかなか出てこないんじゃないかな』と思います。それだけ、一つの作品に対して、約22人の演者がその空間で、全力で集中して向き合っていました」 八木は静かだが、最後まで熱量を込めて作品への思いを語った。 「タイトな撮影期間ではありましたが、より濃く、より集中して作品と向き合うことができたと確信しています。きっと見た方はいろんな感情にもなると思いますし、いろんな意見も出てくると思います。でも、必ず印象に残る作品です。もし、気になる方がいたら、22人の演者と全スタッフが全力で向き合いながら撮ったこの大事な作品を見ていただきたいです」 「デスゲームなんて、自分の身には起こらない」。本当にそうだろうか。何かきっかけがあれば、自分だって当事者になりかねない。その時、あなたはどうする? そんな強いメッセージを視聴者はどう受け止めるだろうか。 □八木勇征(やぎ・ゆうせい)1997年5月6日、東京生まれ。2017年約3万人が参加したLDH JAPAN主催「VOCAL BATTLE AUDITION5~夢を持った若者たちへ~」に合格。ボーカルとしてFANTASTICSに加入。2018年12月5日、『OVER DRIVE』でメジャーデビュー。21年にMBSドラマ『美しい彼』で本格的に俳優活動を開始。主な出演作はフジテレビ系連続ドラマ『婚活1000本ノック』、テレビ朝日系ドラマ『南くんが恋人!?』、映画『美しい彼?special edit version?』、『矢野くんの普通の日々』など。血液型O。
ふくだりょうこ