遺産相続はほとんどの場合、子どもたちの役には立たない。『DIE WITH ZERO』の著者が説く人生設計(海外)
早めの生前贈与は、子どもたちに短期的にも、長期的にも利益をもたらす
パーキンス氏はある女性の例を引用した。彼女は子育てをしながら、長年経済的に苦労していた。そして49歳のときに母が亡くなり、遺産を受け取った。パーキンス氏の同僚と話したとき、その女性は「もっと早くもらえれば、もっと多くの価値があったのに」と語った。 50代から60代の人は、何年も前から貯蓄や投資を始めていて、多くの場合ですでに自分の人生を確立している。その一方で、ミレニアル世代やZ世代を含む若者たちは学生ローンの返済、厳しい雇用市場、住宅価格の高騰に直面している。彼らはまさに、遺産を相続できれば、生活を築けるだけでなく、みずからの老後に備えて退職金の貯蓄を始めたり、自分の家族を築いたりできる年齢にある。 自分のTwitterフォロワーに対してアンケート調査を行なったパーキンス氏は、回答者3500人の半分以上が26歳から35歳を、遺産を相続するのに最適な時期として挙げたと書いている。これは60歳代で受け取るのとはまったくの逆だ。60歳にもなると、必要がないときにお金が入ってくることになり、しかも受け取った人は残りの寿命が短いため、複利の恩恵を多く得ることもできない。 人生晩年における相続というパターンを、パーキンス氏は『DIE WITH ZERO』で覆したいと願っている。 「子供に関して言うと、『DIE WITH ZERO』は子供を第一に考えるという思いやりを示している。つまり、自分が死ぬ前に、彼らにいくら譲り渡すかをしっかり考え、それを実行するのである」と同氏は書いた。 ※本記事の原文は2021年5月に初めて発表された。
Liz Knueven