【特集】科学の力で事件事故の真相に迫る!愛媛県警のプロ集団「科捜研」 公正中立な“DNA鑑定”担う若き研究員
事件解決の行方を左右する犯罪捜査の最後の砦にして、科学の力で事件解決への糸口を見出すプロフェッショナル。 【動画】知られざる世界!愛媛県警・科学捜査研究所に潜入<NEWS CH.4> 「愛媛県警・科学捜査研究所」。鋭い観察眼と公正・公平な鑑定力を武器に、日々証拠の裏付け捜査に邁進する若き研究員を取材しました。
テレビドラマでよく耳にする「科捜研」こと、科学捜査研究所。犯人の早期検挙、事件解決につなげようと、愛媛県警では1996年に発足しました。 案内してくれるのは、27歳の新人・徳永聡研究員。ひと口に“科捜研”といっても、調べるものは種々様々とのこと。
4つの分野でそれぞれ研鑽を積んだエキスパートたちで構成される「科捜研」
まずは「工学係」。けん銃や弾丸の鑑定のほか、火災や交通事故の現場調査や再現実験などを基に、事故状況の推定や原因を特定します。 人文係は、筆跡や印影物、紙幣などの鑑定を得意とする部門。 人文係の研究員: 「今倍率4倍くらいで見ているが、8倍とか16倍くらいまでどんどん倍率はあげて確認ができまして」 そして麻薬やシンナーといった薬物のほか、ひき逃げ事件で残された繊維、塗膜などの鑑定を行う化学係。 化学係の研究員: 「試薬を使って、液体が酸性なのかアルカリ性なのかを見たりしている」 そして、血液や唾液、骨など犯罪に関する生体資料を基に最新科学を用いたDNA型鑑定などを行う法医係。 この4つの部門を合わせて、愛媛県警の科捜研は構成されているのです。
徳永さん: 「今、液体を遠心分離機を使って落としている(分析する)という作業。(DNA鑑定で)必要な作業の一つ」 法医係の新人、徳永聡研究員(27)。愛媛大学大学院理工学研究科を卒業後、2023年春に愛媛県警科学捜査研究所に入所しました。 徳永さんが担当するのは、今や犯罪捜査に欠かせない要素のひとつとなった、DNA鑑定。
DNA型鑑定のニーズ増で 2010年に最新機材を導入した愛媛県警
(2010年当時)県警 科学捜査研究所 沖浦達幸首席研究員: 「今まで重要事件を鑑定していたが、これからはわいせつ事案や窃盗事案など県民の皆様方の身近な犯罪にまでDNA型鑑定を活用してまいりたいと考えている」 今から13年前、犯罪捜査で激増したDNA型鑑定の必要性に対応するため、愛媛県警はおよそ5700万円をかけて世界でも最新のDNA型鑑定支援機材を導入。犯人の特定と事件の早期解決に向けた体勢を整えてきました。