カーボンニュートラル旋風、コマツ模索する電動建機戦略
コマツの電動ショベル(写真:コマツ)
2020年のとある日、銀行地下での解体作業。現場で静かに、排気ガスを出さずに動くミニショベルの姿があった。国内建機最大手コマツ(6301)のPC30E-5だ。福岡県の産業廃棄物業者の三和興業が、電動ミニショベルをレンタルして工事を行った。 PC30E-5は1.2トンクラスのミニショベルで、2020年からレンタル向けとしてコマツが展開している。三和興業の大山哲寿社長は「化石燃料を燃やして機械を動かすやり方では、環境を汚染することに繋がるので、建設関係の産業が持続困難になるのではないかと以前から懸念していた。そこで、電動化を図り11年前から自社のリサイクルプラントに有線式の電動建機を導入してきた。バッテリー式が出たので現場の電動化も進めたいと試した」と経緯を語る。 予備の1台を含めた3台で稼働し、支障なく作業ができたという。「現場は基本的には8~17時まで作業する。休憩時間を考えると1日8時間稼働できることが必要条件となる。そのために今回は、休憩時間中に充電を行うことと予備機の導入をすることで工夫し、現場で重機を8時間稼働させることができた」と大山社長は話した。
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中野 大樹