バンコクのカンボジア人政治家暗殺、男逮捕 〝ヒットマン〟か
【バンコク稲田二郎】タイの首都バンコクで7日に起きたカンボジア人射殺事件で、計画的殺人などの疑いで指名手配されていたタイ海軍の元海兵隊員の男(41)が逃走先のカンボジアで逮捕された。男は殺人を請け負うヒットマンで、3万バーツ(約14万円)で依頼を受けたとの情報が出ている。 現地メディアによると、逮捕されたのはエカラク・パエノイ容疑者。バンコクで7日、カンボジアの旧最大野党カンボジア救国党(CNRP)の元国会議員リム・キムヤ氏(74)を殺害した疑いが持たれている。2023年に海兵隊を辞め、現在はバイクタクシーの運転手として働いていたという。 エカラク容疑者は事件後にカンボジアへ入国。8日午後4時半ごろ、西部バッタンバン州のレストランで逮捕された。事前に3万バーツの送金を受け、このうちの2万2000バーツで質入れしていた拳銃を請け出して事件を起こしたという。 射殺されたリム・キムヤ氏は17年に解党させられたCNRPの重要メンバー。政治的迫害を受けて多くの議員が国外亡命を余儀なくされたが、リム・キムヤ氏は国内にとどまっており、今回はタイを旅行中だった。