神職から富士曼荼羅図の説明を受けるツアー参加者（右側）＝富士宮市の富士山本宮浅間大社

　外国人観光客を対象とした富士山信仰の紹介ツアー構築に向け、富士宮市はこのほど、1泊2日のモニターツアーを実施した。国内在住の外国人に国指定重要文化財「富士曼荼羅（まんだら）図」の世界を体験してもらい、説明順序などの改善を図った上で旅行商品化を目指す。 　米国とロシア出身の3人が、初日は県富士山世界遺産センターと富士山本宮浅間大社で曼荼羅の解説を受けた。2日目は世界遺産富士山の構成資産・山宮浅間神社の遥拝（ようはい）所を見学。村山浅間神社では山伏姿の地元住民に出迎えられ、水ごりを体験したほか、大宮・村山口登山道の一部を歩いた。 　参加者は、各所の案内看板が日本語ばかりだと指摘し、英語の説明資料の提供を望んだ。通訳を介した口頭での解説が多く、記憶に残りづらいとの意見も挙がった。 　外国人富士登山者の多くが5合目からの挑戦を前提とした計画を立てる。市観光課の担当者は「登山の前に理解を深めてもらえる機会を提供したい」と話した。