グラサン&無精髭で目立ちまくり…片山晋呉「34年ぶりのキャディ」評判と思い出される「あの不祥事」
6月20日~23日にかけて開催されている女子ゴルフ国内戦『アース・モンダミンカップ』のグリーンで、異彩を放つ、サングラスに無精髭を蓄えた男--。華やかな女子選手たちの中にあって、一際目を引く存在感を放っているのが、なんと男子プロゴルファーの片山晋呉(51)だ。 【画像】美しすぎる…優勝を決めた臼井麗香「真紅のドレス」からのぞく美脚…! なぜ男子プロが女子ツアーに……と訝しむ方もいるだろうが、片山はもちろん選手ではなく、キャディとして参加。“黄金世代”の一人で、今年3月の『アクサレディス』でツアー初優勝を挙げ、いま勢いに乗っている臼井麗香(25)をサポートしていた。 片山といえばツアー31勝を誇る永久シードプレーヤーで、米メジャーの『マスターズ』で’09年大会に4位に入ったことでも有名。現在も国内ツアーとシニアツアーを並行して出場しており、今年は『すまいーだカップ』(5月30~6月1日)でシニア初優勝を手にしたばかりだ。 今季ツアー初優勝の臼井と片山のタッグは、大会期間の一つの話題でもあった。2人は5~6年前に宮崎で知り合い、「優勝したらキャディをしてあげるね」と口約束していたことがきっかけだ。臼井もたまに練習を見てもらっていたという。 片山がキャディを務めるのは’90年の男子ツアー『三井住友VISA太平洋マスターズ』以来、実に34年ぶり。当時17歳の高校3年のときに、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司のバッグを担いで以来だ。 そんな“キャディ・片山”のサポートもあってか、臼井は初日を69で回り、好スタートを切った。二日目は76とスコアを崩したものの、無事に予選通過。苦手としていた同大会で、4年ぶりに予選を通過した。臼井は片山のアドバイスが結果につながったと明かす。 「(晋呉さんは)ポジティブなことしか言わない。ボールを打つライに対して『ここ立ちづらい』と言ったら、『大丈夫、じゃんけんみたいな確率だから、あまり気にしないで行って』と伝えてくれる。コースを広く使うようにアドバイスをしてくれたので、とても回りやすかったです。晋呉さんがせっかくアドバイスをくれているのに、応えなきゃという緊張感はあります」 片山も「思った通りに打ってくれてうれしかった。やっていて楽しかった」と笑顔を見せていたという。 そんな微笑ましい2人ではあるが、片山と言えば、どうしても’18年の不祥事を思い出してしまう。同年5月の国内男子ツアーのメジャー『日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ』の競技前日のプロアマ戦で、片山と一緒に回った同伴ゲスト(招待客)が、片山の行動や言動、応対に不快感を覚え、1ホールプレープレーしただけでその場を去り、帰ってしまった。 そこで明らかになったのは、1ホール目のグリーン上でゲストがまだプレー中にもかかわらず、グリーン上でパッティング練習を開始し、ホールアウト後もまた練習を始めたという。次のホールに移動するゲストに呼ばれてティーグラウンドに来ても、「前の組がプレーしている」というような趣旨の発言をし、すぐにプレーしなかったことも明らかになった。 この行動にゲストは納得いかなかったようで、同伴プレーヤーへの配慮が欠けているとして、その場を離れて帰ったというわけだ。 このプロアマ戦での行動を問題視した日本ゴルフツアー機構(JGTO)は片山同席のもとで記者会見を開き、「制裁金30万円と厳重注意」の処分を決めている。当時の青木功会長や選手会長を務めていた石川遼もその場で頭を下げて謝罪。石川は「我々選手会もJGTOと一丸となってファンやスポンサーから応援して頂けるようなツアー改革作りを行いはじめた矢先のことで、このような事態が起きたことは遺憾であり、とても残念でなりません」と談話を発表していた。 トーナメントの練習日は別で設けられているため、プロアマ戦はプロゴルファーが招待客を「もてなす場」として存在する。試合を開催するためには莫大なお金がかかるわけだが、メインスポンサーの大会主催者は、日頃から自分たちがお世話になっている企業の人たちをこのプロアマ戦に招待するのも大きな仕事の一つ。 アマチュアゴルファーにとって「プロと回れるだけ幸せ」という考えを持つ人は今もいると思うが、だからといってプロが横柄な態度をふるまうのは違うだろう。トッププロだからこそおごらず、“おもてなし”の精神は備えなければならない資質の一つだと感じる。 もちろん現在の男子ツアーでは、片山が起こした不祥事以降は、そのような問題が表には出てきていない。しかし気になるのは、『アース・モンダミンカップ』の前に行われたプロアマ戦でも、臼井のバッグを担いだ片山が、何を感じたのかという点だ。女子ツアー選手の招待客に対するホスピタリティに、学ぶ部分があったのかもしれない。 もちろん今週は臼井の右腕として、優勝争いに食い込む手伝いをすることが第一目標ではるが、片山が近年の女子ツアーの盛り上がりや人気を現場でどのように受け止めたのかは、気になるところだ。
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