感染者数は徐々に減少傾向「間違いなく判断できる」専門家会議
新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議が1日開かれた。その後の記者会見で、副座長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構・理事長)は「新規感染者数の正確な数は分からないが、減少しているか拡大しているかについて我々は、『徐々に減少している』と大きな傾向については間違いなく判断できると思っている」と述べた。
この根拠として、尾身氏は(1)全国の実効再生産数(1人の患者が生み出す2次感染者の数)と見た際に、3月25日時点では2.0だったが、4月10日には0.7まで減っている点(2)東京都で倍化時間(感染者数が倍増するのにかかる時間)が4月1日時点では2.3日だったものの、5月1日時点では3.8日に伸びている点――を挙げた。 そのうえで「減少しているのか拡大しているのかの大きな傾向については、我々は徐々に減少していると、大きな傾向については間違いなく判断できると思っている」とした。
医療現場のひっ迫、当面続く
一方、尾身氏は新規感染者数が減ったから医療現場に余裕が生まれるわけではないと指摘した。尾身氏は、人工呼吸器を装着している患者数を表したグラフを示しながら依然として利用状況が高止まりしていることを強調。「(患者の)平均的な在院期間は2~3週間程度で、新規感染者数が減少傾向に移行しても入院している患者による医療機関への負担はこれから当分続く。従ってしばらくは新規感染者数を減らす取り組みが必要だ」と訴えた。