蓮實重彦の書籍「ショットとは何か 歴史編」本日発売、シネマヴェーラで企画上映も実施
蓮實重彦が著した「ショットとは何か 歴史編」が本日8月22日に講談社より発売。刊行を記念した企画上映「映画 ショット 歴史」が、8月24日から9月6日にかけて東京・シネマヴェーラ渋谷で開催される。 【画像】「いちごブロンド」ビジュアル(他20件) 「ショットとは何か」「ショットとは何か 実践編」に続く「ショットとは何か 歴史編」。書き下ろしのラオール・ウォルシュ論をはじめ、第53回カンヌ国際映画祭のプレイベントにおける講演メモ、映画パンフレットや季刊リュミエール、ユリイカなどに掲載された文章などがまとめられた。黒沢清「蛇の道」、濱口竜介「悪は存在しない」、ジャン=リュック・ゴダール「遺言 奇妙な戦争」など近年の新作に関する文章も収録。目次は下記の通り。 巻末の「ベスト映画アンケート」には、アメリカ・フランス・韓国・イギリスの媒体から求められたアンケートへの回答が掲載された。2001年から2023年にかけてのベスト10や、2000年代ベスト35、2000年代短編映画ベスト10、コメディ映画オールタイムベスト10といったリストを読むことができる。媒体誌面には載らなかった、オリジナル原稿のコメントも同書に収められた。販売価格は税込2750円。 企画上映ではウォルシュの「いちごブロンド」「死の谷」のほか、ミハイル・ロンム、アブラム・ローム、ハワード・ホークス、オーソン・ウェルズらによる1920年代から40年代にかけての映画を中心に計19本がスクリーンにかかる。「帽子箱を持った少女」で知られるボリス・バルネットが監督・主演を務めた4時間超のサイレント冒険活劇「ミス・メンド」も特別上映。8月24日の夜には蓮實による特別講義も行われ、チケットは同日10時より劇場受付で販売開始。講義は上映付きではないのでご注意を。 ■ 「ショットとは何か 歴史編」目次 序章 ・映画の「未来」に向けて I ・ラオール・ウォルシュ または「伝説」と「現実」を超えて II ・スクリューボールまたは禁止と奨励 ハリウッド30年代のロマンチック・コメディー ・オーソン・ウェルズはたえずフィルモグラフィーを凌駕しつづける ・「黒さ」の誘惑 リタ・ヘイワースの曖昧さはいかにして「フィルム・ノワール」を擁護したか ・これは、「黄昏の西部劇」である以前に、映画の王道に位置づけらるべき作品である サム・ペキンパー監督『昼下りの決斗』 III ・ロッセリーニによるイタリア映画史 ・ロベルト・ロッセリーニを擁護する ・娘のイザベラを使って、ロッセリーニに『イタリア旅行』のリメイクを撮らせたくてならなかった IV ・ジャン・ルノワール論のために ・レマン湖の畔にて ゴダールにとってのあるいは、ストローブにとってのスイスについて ・タイプライターとプロジェクターに護られて 『訪問、あるいは記憶、そして告白』 ・ここでは、魂と肉体とが、奇蹟のように融合しあっている V ・署名の変貌──ソ連映画史再読のための一つの視角 VI ・吹きぬける風のかなたに ・寡黙なるものの雄弁 ホウ・シャオシェンの『恋恋風塵』 VII ・歳をとらずに老いるということの苛酷さについて ペドロ・コスタ『ホース・マネー』 ・十字架 シャワー 濡れた瓦…… 『ヴィタリナ』をめぐってペドロ・コスタに訊いてみたい三つのことがら ・このホークス的なコメディは、文字通りの傑作である ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』 ・抒情を排したこの寡黙な呟きに、ひたすら耳を傾けようではないか ──ケリー・ライカート小論── ・柴咲コウは誇らしげに靴音を響かせながら、男どもをひたすら睥睨する ・この不気味なほどの単純さ……。 映画『悪は存在しない』 VIII ・映画の「現在」に向けて ゴダールの『奇妙な戦争』に触れてふと思うこと 『歴史編』へのあとがき ベスト映画アンケート ■ 「ショットとは何か 歴史編」刊行記念 映画 ショット 歴史 2024年8月24日(土)~ 9月6日(金)東京都 シネマヴェーラ渋谷 料金:一般 1300円 / シニア 1100円 / 会員 900円 / 大学・高校生 700円 ※1本立て、入れ替え制 □ 上映作品 ・ミス・メンド ※特別上映 ・ベッドとソファ ・帽子箱を持った少女 ・帰らぬ幽霊 ・未来への迷宮 ・青い青い海 ・永遠の戦場 ・新婚道中記 ・赤ちゃん教育 ・女たち(1939年) ・コンドル(1939年) ・ヒズ・ガール・フライデー ・レディ・イヴ ・いちごブロンド ・パームビーチ・ストーリー ・偉大なるアンバーソン家の人々 ・夢(1943年) ・死の谷 ・一年の九日 □ 特別講義 テーマ「映画 ショット 歴史」 2024年8月24日(土)20:05~(予定) <登壇者> 蓮實重彦 <料金> 1500円均一 ※ポイント鑑賞不可 ※チケットは当日10時より劇場受付で販売開始 ※上映はなし ※動画撮影・録音は不可