空港公園のインクルーシブ遊具、8カ月で利用者6万3000人 休日は家族連れでにぎわう【宇部】
山口宇部空港ふれあい公園に大型インクルーシブ遊具が設置されて約8カ月がたった。1月末までの累計利用者数は約6万3000人(推計)。幼い子どもや障害者、高齢者も安全に楽しむことができるとして幅広い層が訪れ、休日は市外からも家族連れがやってくるなど大にぎわいのスポットとなっている。 空、空港、飛行機をコンセプトに、あらゆる子どもたちが一緒になって遊べるよう市が整備し、昨年5月に利用を開始した。インクルーシブは「すべてを含む」の意味で、障害者や高齢者を含めて誰も取り残さず、一人一人の状況に気を配った遊具になっている。 休日は大勢の親子が訪れ、133台分の駐車場が満車になる時間帯もある。遊具の種類はバラエティーに富み、飛行機の離着陸や広場での遊びも楽しめるため、弁当を持参して長く滞在する家族が多い。3世代、祖父母と孫の利用もよくあるという。 一方、人が少ない平日の午前は未就園児が母親に連れられ、好きな遊具をゆっくりと満喫している光景がよく見られる。幼い子ども用の遊具が充実し、安全に遊べると、保護者から選ばれている。 長男を保育園に送った後、次男を連れて週1回のペースで訪れるという30歳代の母親(黒石)は「トランポリンがお気に入りで、他の公園にはないのでよく来ている。休日より、平日に来てマイペースに遊べる方がいい。訪れた母親同士で話すのがリフレッシュにもなる」と語る。 車椅子でも遊べる砂場、滑り台など、障害のある子どもや高齢者も楽しめるようになっているのが特徴。引率したことがある宇部総合支援学校小学部の市川徹教諭は「転落防止などの安全対策が高所まで施されていて、他の公園より自由に遊ばせることができる」と評価している。障害児通所施設などの利用者が遠足で訪れるケースも増えている。 同遊具を管理する市公園緑地課の青山剛課長は「空港というロケーションに設けられている強みを生かして、今後も集客に努める。遊具の利用を通して、インクルーシブの考え方が世の中に浸透していってほしい」と話した。