仏教美術の粋 心に刻む まるごと奈良博 県立美術館、25日限り
奈良国立博物館展「まるごと奈良博」は25日、閉幕する。会場の金沢市の石川県立美術館には24日、家族連れや愛好者グループが詰めかけ、国宝「薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)」をはじめ、奈良博が誇る仏教美術の粋を心に刻んだ。 展示室は大勢の来場者でにぎわい最終盤の熱気に包まれた。走る姿が印象的な「伽藍神立像(がらんしんりゅうぞう)」を鑑賞した金沢市の吉村正則さん(67)は「躍動感ある姿のインパクトが強かったが、間近で見ると真剣な表情をしていて、より引かれた」と語った。 「推(お)し仏(ほとけ)」総選挙や同展ポスターパネルの仏たちと記念撮影できる「フォト仏」コーナーも人気を集めた。氷見市から訪れた蔵睦未さん(同市窪小6年)は「ポスターが気に入って奈良博展を見に来た。愛染明王が格好よかった」と投票した。開館前に文化観光ツアー「美と食 本物に触れる金沢旅」の一行が貸し切り鑑賞した。 奈良博展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業として県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催。後期展は国宝4点、重文54点を含む137点が並ぶ。 開館時間は午前9時半~午後6時。入場料は一般1500円、大学生千円、高校生800円、小中学生500円。内灘町以北の小中学生は無料。