JR西・京都支社が特急車両で事故訓練 警察・消防と連携
JR西・京都支社が特急車両で事故訓練 警察・消防と連携 THEPAGE大阪
事故発生時の列車利用者の救護や併発事故防止などを目的としたJR西日本京都支社による「列車事故総合訓練」が16日、大阪府吹田市の吹田総合車両所の構内で行われた。今回は大規模な列車事故を想定し、参加者に訓練のシナリオを伏せたブラインド式の総合訓練という形で行われ、同社社員160人のほか、地元の警察・消防、医療機関の医師らが事故時の対応を実践的に確認する場となった。
同社によると、これらの訓練は2005年に発生した「JR福知山線脱線事故」を教訓に、同社社員らが警察や消防といった機関と連携しながら事故発生時の利用客の救護を最優先に行えるようにと行われ、同社の各支社で行っているという。 今回はJR京都線の茨木~千里丘駅間で金沢発大阪行きの特急列車が走行中、踏切内に進入してきた自動車と衝突。1両目が脱線し、運転手が腹部を打ち負傷、車内で多数の負傷者が出ているという想定を参加者に知らせない状態で実施した。
乗務員が状況を指令所に報告し、同社社員や吹田署、吹田市消防本部らも駆けつけ救助活動を開始。実際に車に乗っている負傷者(人形)を警察・消防の救助隊員らが協力し合い、特殊な工具を使ってドアを破壊しながら救助した。 同時に、救急隊員らが車内で、負傷者の手当ての緊急度に従って優先順をつけるトリアージや搬送を行い、救護所で大阪大学付属病院や千里病院の医師ら緊急対応チームがトリアージや治療を行うなどした。 1時間以上にわたって訓練は行われ、終了後、同支社の岩崎悟志支社長は「なにかあったときにお客様の救護を最優先にするということをきちんと徹底できるようにする訓練でした。今後もこのことを社員一人ひとりに体でそれを実行できるようにしていきたい。そのためには訓練を積み重ねていかなければならない」などと話していた。