「一芯三葉」心掛け 小中学生が茶摘みを体験 長野県天龍村
茶の生産が盛んな長野県天龍村の天龍小中学校で9日、恒例の茶摘みが行われた。青々と育った先端の新芽から1本の芯と3枚の葉を摘む「一芯三葉(いっしんさんよう)」の手法を心掛けながら、児童生徒たちは丁寧に手摘みしていった。 旧天龍中学校敷地内にある茶畑では、中学1~3年生9人と職員7人が茶摘みを行った。急斜面での作業でも、生徒たちは慣れた手つきで茶葉を摘んでいき、1時間ほどで予定していた量の収穫を終えた。学校での茶摘みは今回で最後になる3年生の生徒は「9年間やっていると感覚で一芯三葉が分かってきた。最後なので素早くたくさん採れるよう意識した」と話していた。 茶葉は隣接する飯田市南信濃の製茶工場に持ち込んで製茶し、生徒たちが袋詰めする他、加工食品の開発に取り組む。毎年2月に村内で開かれる梅花駅伝で煎茶やクッキー、チョコなどにして販売する予定だ。 一方、天龍小の全校児童26人は学校近くの村民所有の茶畑で収穫を体験。その後は南信州茶手揉保存会の熊谷美沙子さん(54)の指導で茶葉の手もみを体験した。 同保存会が持参した「焙炉(ほいろ)」を使い、事前に摘み取って蒸しておいた茶葉で熊谷さんが手もみを実演。児童たちは見よう見まねで挑戦し、「手がいい匂い」「焼きそばみたい」など楽しそうに声を上げながら作業した。 熊谷さんは「ペットボトルが主流になり、家で急須に入れてお茶を飲む機会が少なくなった。どうやってお茶ができるのかをこの機会に知ってもらえれば」と期待した。