最近耳にしない「プラグ交換」っていまでも必要? 10万キロまで交換しなくても大丈夫な理由と、それでも交換したほうが良いといえる理由とは
クルマを大切にしたいと思うなら交換したほうがいい
最近のクルマはどんどんメンテナンスフリー化が進んでいて、昔は定期的な点検・交換が必要だったものも、不要になっています。技術の進化、そしてユーザー負担軽減という点では喜ばしいことではあります。そのなかで「プラグ交換」も聞かなくなってきたメニューのひとつ。昔を知っている人間からすると、スパークプラグはエンジンの調子を判断できる重要なパーツと思ってしまいますが、最新事情はどうなのでしょうか。 【画像】昔は定期的に確認をした!「スパークプラグ」を見る(全8枚)
早めに交換する分には問題ない
クルマのスパークプラグといえば、ひと昔前は、焼け具合を見たり、電極の状態を確認したり。さらにはギャップを調整したり、ワイヤーブラシでこすってきれいにしたり。またキャブレター時代にはセッティングを変えると番手も変更して電極の焼けを調整するということまでしていた。さすがに今ではここまで手をかけなくてもいいだろうが、実際のところはどうなのだろうか。 まず純正の交換指定から見ていくと、ガソリン車で10万kmごと。エンジンがつねに作動しているわけではないハイブリッドについては20万kmごとが一般的で、場合によっては一生無交換と言ってもいいぐらいのスパンだ。ほぼメンテナンスフリーと言っていいだろう。 しかし、それでいいのかという疑問はある。エンジンオイルなど、メーカー指定はあくまでも問題が発生しない範囲でのもの。絶好調とは少し意味合いが異なる。実際に外してみると、7~8万kmぐらいだとかなり消耗しているな、という感じで、問題なく使えるけど、クルマを大切にしたいと思うなら交換したほうがいい、というのが正直なところ。 この微妙な感じはエンジンオイルと同じで、早めに交換する分には問題ない。あまりに早いと費用負担と資源の無駄的な問題はあるが、7万kmぐらいならそれほど気にしなくてもいいとは思う。目安としては指定の7掛け程度だ。もちろんクルマによって変わることもあるので、純正指示は確認しておきたい。
10万kmまで交換しなくていい理由とは?
ただ、最近のプラグは形が変わってきていて、具体的には細長い形状で、電極も社外品でお馴染みのイリジウムやプラチナが使われている。イリジウムというとチューニングプラグのイメージもあるが、純正は火花の飛びだけでなく、耐久性も配慮したものとなっている。このあたりが、10万kmまで交換しなくていい理由になっているわけだ。 電極の消耗は確実に進むので、ある程度の距離で交換すれば効果を実感できる可能性も高い。その際は純正品を使うのが安心だ。また最近はヘッドの形状が特殊でそれに合わせた専用サイズのプラグもあって、その場合は社外品がないこともあるので、注意はしたい。また社外品を使うなら、耐久性が気になるのでその後の点検は定期的にしたほうがいいだろう。さらに最近はスパークプラグの偽物が問題になっているので、信頼できるところで購入したい。 交換についてはDIYで行えるというのは今でも変わらない。ただし、交換頻度が減少したことによってメンテナンス性はよくなくなっていて、エアクリーナーボックスが上に固定されていたり、各気筒ずつにダイレクトイグニッションが付いているなど、カバーを外せば交換完了というわけにはいかない。気軽に手を出してみたら交換できなかったということもなりかねないので、事前に調べてから行ったほうがいいだろう。
近藤暁史(KONDO Akifumi)
【関連記事】
- 【画像】昔は定期的に確認をした!「スパークプラグ」を見る(全8枚)
- ■昭和のクルマは「重ステ」が基本だった!「内掛けハンドル」や「革グローブ」は必要に迫られたから…パワステにはない重労働とはいったい…!?
- ■ 10年かけて日産「フェアレディ240ZG」をレストア!「ソレ・タコ・デュアル」はもちろん、エアサスに交換してストレスなく運転できます
- ■ 「スカイラインGT-R」歴20年! 免許を取得後ずっと日産党のオーナーが、ドラッグ仕様のR32からコレクション状態のR34へ乗り継いだ理由とは
- ■ ホンダ「モンキー」にサイドカー!? もとハーレー乗りが定年と同時にダウンサイジング「孫を乗せて桜並木を走るととても綺麗ですよ」【マイクロカー図鑑】