「光る君へ」屋根はゴムシート、「あさイチ」セットは再生素材 NHKが環境配慮アピール
NHKは11日、東京都渋谷区の放送センターで情報番組「あさイチ」と大河ドラマ「光る君へ」の舞台裏を報道陣に公開した。環境省が6月を「環境月間」と定めていることから、新たな技術を活用したセットの軽量化や再利用、廃棄物の削減など環境に配慮した取組をアピールした。 【写真】再利用した材料で作られた「あさイチ」のセットを説明する鈴木奈穂子アナウンサー ■ゴムシートでカンナ削りを再現 「光る君へ」の劇中、塩野瑛久さん演じる一条天皇が日常を過ごし、政治の舞台ともなる清涼殿での撮影風景を公開した。清涼殿は平安時代の絵巻を参考にほぼ実寸大で製作したが、流用する材料を増やしたり、軽量化したりと、随所に工夫を凝らした。結果、火曜~金曜に撮影を行い、土曜~月曜の3日間でセット転換を行うスケジュールが可能になったという。 具体的には、実際に宮大工がカンナで削って作った丸い柱は1本だけ。それをスキャナーで取り込み、ゴムシートで再現した。中が空洞の円柱形木材に貼り付ければ、カンナで削ったような柱に見える。軽いため、セットを作り替える際にも簡単に流用できるそうだ。 ■再利用や軽量化で費用削減も 平安時代ならではの檜皮葺(ひわだぶき)の屋根は、ヒノキの皮を張ったのは1枚だけで、残りは型を取ったゴムシートで作った。シートを張り替えれば他のセットでの再利用が可能だ。こうした工夫により、再利用の材料が全体の9割程度を占めるセットもあるという。 従来、強化プラスチックで作っていた岩や土壁のセットも、同じくゴムシートで作るようになった。木枠にバサッとかければ完成で、製作時間を大幅に短くできるほか、運搬や保管の面積が10分の1程度と費用の削減にもつながっている。 ■「あさイチ」セットの3割が再生素材 「あさイチ」の出演者らが腰かけるテーブルは、捨てられた服や木材などを固めて作ったものだ。セットの壁は、古紙や廃プラスチックでできている。番組内で使用するフリップも、石油由来の合成紙から段ボール製に変えた。そのまま古紙として回収できるため、環境負荷を軽減できるという。 メインキャスターを務める鈴木奈穂子アナウンサーは「番組の中でもフードロスの削減など、持続可能な社会を目指した試みを紹介しています。自分たちで取り組むことで、より説得力を持たせられるのではないでしょうか」と述べた。
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