洋食と絶妙マッチの本格派 武州うどんあかね&みどりダイニング大宮駅前本店 続ビバ!うどん共和国
SHIBUYA109渋谷店の女性店員も食べに来るとマスコミで取り上げられた「うどん屋さんのハンバーグセット」で有名だが、実はそのセットのうどんがコシがあり、汁が上品な味わいの本格派。もちろん単品でうどんもある。 それもそのはず、創業者の祖父江光明さん(76)は、讃岐うどんの本場の四国生まれ。光明さんが早朝、生地作りなどの仕込みをこなす。元はうどん店を切り盛りしていたが、息子の康明さん(48)が社長になったとき、現在の場所でやっていた居酒屋と合併して移転。現在の長い店名となった経緯がある。 のれんをくぐると、壁にはお酒のポスターがはられ居酒屋の雰囲気があり店内は盛況だ。 人気の「うどん屋さんのハンバーグセット」を注文した。ハンバーグ誕生秘話は後述の康明さんの話に譲り、まずは、うどんをすする。弾力がありながら喉ごしがよい。汁はかつお節とサバ節でとり薄口しょうゆで仕上げる。店名の武州うどんは、武蔵国の別称が由来だ。 「開店当時、関東だからしょうゆを入れる人がいてね。それじゃ、しょっぱくて食えないよ」と笑う。 うどんは、こねた後にラップで包み、寝かせてから足で踏む。「これで、うどんのコシが決まるのさ。ただし、硬いのとコシは違うよ」。切るとき、同じ太さで切らないと、仕上がりが変わるので均等に切るのが技術の見せ所という。 同時に、ハンバーグを食す。おろしポン酢を選んでかけた。柔らかくあっさりしていて、うどんとあう。 「近所のビルに入っている店のギャルみたいな子たちが食べに来てさ。(その店の)系列のお店がSHIBUYA109にあって(口コミで広がり)テレビ取材で岡田准一さんも来店してくださいました」 そして康明さんの出番。店を任されるにあたり、こう考えセットを編み出した。 「提供するとき鉄板のジュウジュウする音って食欲をそそるじゃないですか。だから、うどんのどんぶりとハンバーグの鉄板を(1つのお盆の中に)並べたかったのです」 現在の味になるまでは、試行錯誤した。「お客さまに『どうですかね』と聞きながら、牛乳じゃなくうどんだしを使おうと思い、つなぎには豆腐を使った」。マイナーチェンジを繰り返しながら現在に至る、うどんを食べ終えた汁をみそ汁代わりに、ご飯もいただき完食した。(昌林龍一)