フルマラソン完走のコツ 専門家が教えるストレッチ・食事・コース戦略
12月3日のNAHAマラソンまで残り約3週間となった。フルマラソン完走のためには「走る」トレーニングだけでなく、食事やストレッチ、コースの攻略も大切な要素。ベストな状態で大会に臨めるよう、必要な栄養の取り方や、体を整えるストレッチの方法などをそれぞれの専門家に聞いた。
準備運動で効率よい走り
●ガルフスポーツクラブ牧港副所長の高橋俊幸さん NAHAマラソン本番で練習の成果を十分に発揮できるよう、コンディションをしっかり整えていきたい。浦添市のガルフスポーツクラブ牧港の副所長で、NSCA認定パーソナルトレーナーの高橋俊幸さん(42)に効果的なウオームアップや筋力トレーニングを聞いた。(聞き手=社会部・島袋晋作) 長い時間をかけ、長距離を走るマラソン。高橋さんは「関節の可動性を高めることで効率よく走れるし、けがの予防にもつながる」と説明。足首、背骨、股関節の3カ所の可動性を高めるプレパレーション(準備運動)を紹介した。
関節の可動域広げけが予防
まず、足首周りの可動性を高める「アンクルモビリゼーション」。片膝を立てて90度ほど開き、前側の手で脚関節を押さえる。さらにもう一方の手でかかとを地面に着くよう押さえながら重心をつま先に向けて移動させ、足首を動かす。可動域が広がり、着地時に推進力を得るとともに下肢のけがの予防にもつながる。
続いて紹介したのは四つばいになり、骨盤から背骨を順番に動かす「キャットストレッチ」。息を吐きながら背中を丸め、目線は、へその位置に。ゆっくりと背骨を戻して背中を反らし、顔が上がったところで小さく息を吸う。この動きを繰り返す。反り腰の方にも猫背の方にもお勧めだ。
また、普段、肘掛けに寄りかかったり、脚を組むことが多かったりして、左右差がある方には片側に寄せて行う「キャットストレッチ・ハーフ」も効果的。高橋さんは「地面からの反発力をうまく推進力に生かす上で、真っすぐな姿勢は重要」と意義を強調する。