日本インカレ男子3000m障害に出場した村尾雄己（右）と浦田優斗

陸上・日本学生対校選手権最終日（22日、神奈川・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu）男子3000メートル障害は順大の村尾雄己（3年）が8分34秒83で2連覇を飾った。中大の浦田優斗（4年）が8分35秒09で2位、順大の山崎颯（3年）が8分50秒42で3位に入った。村尾はスタートから先頭に立ち、以降は浦田と二人旅。残り300メートル付近で浦田が前に出たが、最後の直線で競り勝ち、自己ベスト（8分33秒76）に迫る好タイムをマーク。それでも「三浦（龍司）さんの大会記録（8分28秒51）に挑戦していくことが目標だった。優勝できて安心はしたが、悔しさがどんどんこみ上げてくる」と反省した。 4月末の織田記念で自己ベストを出し、5月の関東学生対校選手権（関東インカレ）でも優勝したが、1万メートルを走る全日本大学駅伝関東地区選考会（6月23日）では32分36秒82で1組最下位と撃沈。チームは総合17位で伊勢行きの切符を逃した。自身も上位を狙っていた同27日の日本選手権（新潟）に出場できなかった。「自分自身の心の弱さがあった。チームを優先すべきだが、どこか日本選手権で（いい記録を）出したいという気持ちがあってどっちもうまくいかなかった」と村尾。日本選手権では同じ順大の選手が腕に村尾の名前を書いて出場し、「自分はチームのために何もできていなかったのに、チームは自分の力になることばかりしてくれている。それが見えていなかった」と姿勢を見つめなおすきっかけになったという。 今月上旬、一部週刊誌が順大陸上部で「名誉総監督」を務めていた沢木啓祐氏が関与した練習後に体調不良者が出たと報じ、6日に沢木氏の退任が発表された。その後、長門俊介監督からチーム全体へ「報道があったから気持ちがごたついてダメになるとかではなくて、それでもブレない順大らしい姿を見せていこう」と話があったといい、今大会では意地を見せた。来月19日には箱根駅伝予選会も控える。「悪い報道が目立たないくらい、良い結果で返してやろうという気持ちがある。そういう気持ちを持って箱根予選会、駅伝に取り組んでいきたい」と村尾。「世間がどう言おうとも順大は1位通過が目標。ブレずに1カ月、全員で自信を持って堂々とスタートラインに立てる準備をしていきたい」と思いを語った。