旭川市立中学校の給食の1食当たりのエネルギーと不足している主な栄養素

　旭川市立小中学校の給食のエネルギー量が国の基準（1食あたり平均）を下回り、中学校では各栄養素も不足していることが、市教委への取材で分かった。近年、物価高騰の影響で食材の選択肢が狭まり、バランス良く栄養素を摂取させることが難しいため。専門家は「家庭の経済格差を解消すべき給食で、栄養バランスが崩れていることは問題だ」と指摘する。 　文部科学省の学校給食摂取基準では、中学生（12～14歳）の1食あたりのエネルギーを830キロカロリーと定め、タンパク質、脂質、ビタミンなど11種類の栄養素についても基準値を示す。 　市教委学校保健課によると、本年度の1食平均は中学生が791キロカロリーで、国の基準値を4.7%下回る。市教委が調査する栄養素6種類のうち5種類が下回り、カルシウムで12.0%、鉄分で8.9％、ビタミンB2で3.3%不足する。 　小学生（8～9歳）はエネルギー量が636キロカロリーと、国の基準値650キロカロリーを2.2％下回った。栄養素別の不足はなかった。 　市教委の栄養士は「予算内で使える食材が限られており、炭水化物などでエネルギーを確保しようとすると、栄養素のバランスが崩れてしまう」と説明する。特に近年は卵や緑黄色野菜を中心に価格が上昇。ヨーグルトやチーズなど乳製品も予算内で提供することが難しいという。