⚽1年でJ1復帰へ ジュビロ磐田が新体制発表 「アグレッシブなスタイル目指す」
2年ぶりにJ2を戦う磐田は7日、磐田市内で新体制発表会見を開いた。昨季J1で18位となり4度目の降格を喫して迎える今季。J2優勝、1年でのJ1復帰を託されて新たに就任したジョン・ハッチンソン監督は「大きなチャレンジになる。ポゼッション(ボール保持)をベースに攻守ともアグレッシブなスタイルでファンを楽しませたい」と意気込んだ。 昨年12月中旬に2年指揮を執った横内昭展氏が辞任し、年末までもつれ込んだ後任選び。藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)はハッチンソン氏に白羽の矢を立てた決め手を「守備重視で勝ち点を重ねるサッカーではJ2で優勝できない。主導権を握って勝ち点3を取る『アクションフットボール』を目指す」と説明した。 新加入は12人。DF江崎、MF金子、MF為田ら最終ラインと中盤に運動量とビルドアップにたけた人材を補強した。その上で昨季主力を担った中堅と外国人も残留した。一方、昨季19ゴールのFWジャーメインに加え、DF鈴木、MF平川ら将来の屋台骨を担うはずだった若手が流出したのは事実。MF山田も引退し、背番号10は空席となっている。今季はJ1経験クラブが11に上るJ2を勝ち抜きつつ、J1で戦う土台作りへ大きな変革が求められる。 「クラブに長く続いていくフットボール、新しいジュビロのスタイルを構築したい」とハッチンソン監督。浜浦幸光社長も「J2優勝という明確な目標に向かいつつ、将来を見据えJ1で躍動できるチームを目指す」と決意をにじませた。 ■ハッチンソン新監督の下、ボール奪取強化 2014年から短期間での昇降格を繰り返してきた磐田。求められるのはJ2を勝ち抜いた上で、J1でも勝負できる確固たるスタイルの確立だ。26年に秋春制へのシーズン移行を控える今季は、昇格を逃せば計2年半のJ2生活を強いられる。クラブは勝負の年のかじ取り役を「ポゼッション(ボール保持)」を志向するハッチンソン新監督に託した。 藤田SDは降格の要因を「相手にボールを握られて守備的になり、耐えきれずに失点が増えたこと」と分析。守備の立て直しは「大前提」としつつ、主導権を握るスタイルの構築を柱に据えた。 ハッチンソン監督は「いかに早くボールを回収するかがポゼッションの鍵」とハイプレスを予告。新加入も運動量や球際に強い選手を補強した。昨季、京都で26試合に出場したMF金子が「ボール奪取とアグレッシブなプレーが特長」と自信を見せれば、C大阪で32試合2得点のMF為田も「31歳になっても走行距離は伸びている。経験を生かしたポジション取りでも勝負したい」と意気込んだ。 前線は昨季19ゴールと総得点(47点)の4割を挙げたFWジャーメインが移籍。フィニッシャーの確立が急務だ。大きな期待が懸かるのが福岡から移籍したFW佐藤。東京V時代にJ2で大卒1年目から2年連続13ゴールをマークしたストライカーは「まずは13点を超える。目に見える数字にこだわりたい」と意欲を見せた。
静岡新聞社