廃校でキクラゲ栽培 ビタミンD抽出で健康食品の原料に 千葉
廃校を利用したキクラゲ栽培が千葉県館山市内で行われている。サプリメントや健康食品の原料としてビタミンDを取り出すことが主な使い道で、運営会社によると、ビタミンDの抽出を目的としたキクラゲ栽培は全国的にも珍しいという。 【写真特集】あなたの住む場所のご当地グルメは? 栽培は2017年3月に閉校した同市相浜の旧富崎小の校舎で行われている。市は地域活性化につながる廃校舎の活用方法を民間から公募し、24年1月にビタミンファーム(東京都港区)への無償貸し付けを決めた。同社は農福連携による無添加無農薬の国産キクラゲ栽培を提案し、館山の新たな特産品化を目指すとしている。 同小の敷地は約6200平方メートルで校舎や体育館、プールがある。同社は24年12月20日時点で2教室に約7000個の菌床を栽培。5週間ほどで収穫できるようになり、月産2トンが見込まれる。2月中旬には乾燥キクラゲ50キロを出荷する予定という。25年度中には全12教室で栽培できるように準備を進めている。収穫後は食品として販売するほか、主にビタミンDを抽出してサプリメントや健康食品の原料として売り出すという。キクラゲは、骨の形成や免疫力向上などに効果があるビタミンDの含有量が高いとされている。 同社の水野聰社長(53)は「教室は寒さの影響を受けにくく、安定した栽培ができる」と、校舎活用のメリットを強調。「世界的に枯渇しているビタミンDを館山から売り出していき、地元とともに新商品の開発も進めて行きたい」と抱負を語った。 2月12日には、地元関係者を集めて、摘み取り体験や試食などをする収穫祭を開催する。【岩崎信道】