毎晩続く隣人からの嫌がらせ? それとも… 不気味なご近所トラブルを描いたコミックエッセイ【書評】
そのとき、横沢家のカーテンの隙間からこちらを覗く男の人を目撃してしまう。ライトをチカチカしてくるだけでも不気味なのに、春奈を監視しているという衝撃の事実。読んでいて思わず身震いする気持ち悪さだ。 今はチカチカされるだけだが、いつか危害を加えられるかもしれない。ご近所トラブルの薄気味悪さに加えて、いずれ起こるかもしれない事件への恐怖がのしかかってくる。犯罪ではないからと帰された直後の事件の気配にゾクゾクしながらも、続きを読む手が止められない。 どうして自分の家に帰るだけで怖い思いをしなければならないのか。追い詰められた春奈は、ついに懐中電灯でチカチカをやり返すことを決意。そしてこの勇敢な1歩をきっかけに物語が大きく動く。チカチカをやり返された隣人の反応と、そこからどんどん変わっていく作品の雰囲気。解き明かされていく謎に夢中になりながら物語を読み進めていくと、驚きの事実に直面することになる。
薄気味悪いご近所トラブルから始まるこの物語。不安や恐怖に襲われながらも突き進んだ春奈を待つ意外な結末とは? なお終盤では隣人の過去について知ることができる。さらに、結末を知ったうえで隣人の視点からもう一度、物語の流れを振り返ることができるのがこのコミックの面白いところだ。ぜひ本を手に取って、急転直下のストーリーを楽しんでほしい。