タレント軍団を率いる千葉ジェッツのグリーソン新HC「一人ひとりの強みを出せるようにしたい」
8月23日、千葉ジェッツの新指揮官に就任したトレヴァー・グリーソンヘッドコーチの記者会見が行われた。 グリーソンHCはオーストラリア出身の56歳で、1997年に母国でコーチとしてのキャリアをスタート。2013年から2021年にかけてパース・ワイルドキャッツの指揮を執り、2014年、2016年、2017年、2019年、2020年と5度のポストシーズン優勝に貢献した。オーストラリアのみならず韓国やアメリカでも経験があり、2021年から2023年にかけてトロント・ラプターズのアシスタントコーチとして千葉Jの渡邊雄太を指導。2023-24シーズンはミルウォーキー・バックスでACを務めるなど、実績十分な指揮官だ。 千葉Jはジョン・パトリック前HCが退任後、ゴードン・ハーバート氏とサイン。しかし、同氏より契約を破棄したいとの申し入れがあり、7月19日に契約解除が発表された。その後、24日にグリーソンHCと契約締結。紆余曲折があり、新指揮官が決まった。 グリーソンHCはNBAに戻る選択肢や中国からも話があったというが、かつて指導したジョン・ムーニーや渡邊が在籍する千葉Jとは「シナジーを感じるものがあった」。当初はHC候補に入っていなかったと明かした池内勇太取締役兼ゼネラルマネージャーも「いろいろなご縁を感じるものがあった」と認めており、急きょ始まった交渉はスムーズに進み、多くの時間を要さなかったようだ。 千葉Jは日本での去就に注目が集まった渡邊だけではなく、富樫勇樹、金近廉、原修太の日本代表経験者に、小川麻斗や菅野ブルースなど期待の若手も在籍。外国籍選手はムーニー、クリストファー・スミス、ディー・ジェイ・ホグの3人に加え、アジア特別枠で中国人ビッグマンのマイケル・オウと、多くの実力者がそろう。 指揮官も「タレントがそろっているから強いわけではない」と話しつつ、「コートに立つ5人全員がシナジーを持って、チームバスケを遂行することも大事」とコメント。特定の選手だけが活躍するのではなく、「一人ひとりの強みを出せるようにしたい」。強固なディフェンスから速いペースのオフェンスに持ち込むスタイルを築き上げ、「1年だけではなく、このチーム、この組織の未来につながるような土台を作り上げられたらいいと思っています」と、先を見据えたチームを目指していく。 今シーズンからLaLa arena TOKYO-BAYをホームアリーナとして戦う千葉Jにとっては、「過去一番大きな変革が起きる大事なシーズン」(田村征也代表取締役社長)。指揮官は「大きなアリーナで多くファンの皆さんが、私たちと同じぐらいの情熱でサポートしてくれることを楽しみにしています」とメッセージを送った。
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