小学校前の「よい子の店」54年の歴史に幕 学用品や駄菓子扱い年中無休 82歳店主「私の生きがいだった」
学校関係者からも「やめないで」と求められるが、京藤さんは「元気なうちに」と閉店を決めた。6、7月ごろに店を閉め、自身も引っ越す予定だ。「まだまだ自分なりに頑張れるけど、ピリオドも必要かな。90(歳)になる前に決めないと」と寂しそうにほほ笑んだ。 ■ニュータウン計画で学校増 所沢市立清進小学校の最寄り駅、西武新宿線新所沢駅の周辺は1957年に「北所沢ニュータウン計画」が発表され、急激に人口が増加した。「ところざわ歴史物語」(2006年、市教育委員会発行)などによると、団地の建設や区画整理などの宅地化が進み、明峰小(67年)、清進小(68年)、伸栄小(71年)、向陽中(同)と、学校が次々に建てられた。 55年に約5万6千人だった市内の人口は67年に10万人を超え、10年間で約10万人増の21万4千人(77年)に。その後も増加を続け、2023年時点では約34万3千人が住み、同年5月時点の児童数は1万5908人。学校基本統計によると、県内の児童数はピーク時の約65万8千人(1982年)から約35万5千人(2023年)に減少している。
文房具店も減少を続けており、経済産業省などの調査では、全国の文具店(紙・文房具小売業)数は1991年の約2万5千店から、2021年には2803店に減少。特に個人店は1991年の約1万9千店から2002年に約1万店、16年には3612店まで減っている。