「チーム200キロ」優宇が語るプロレスデビューまでの苦難 嫌がらせを受けた柔道時代、別の道も断念して辿り着いたリング
■『今こそ女子プロレス!』vol.18 優宇インタビュー 前編 プロレスにおける「強さ」とは何か。技のキレ、スピード、スタミナ、精神力、観客を惹きつける華......。人によって解釈は違うだろうが、とあるタッグチームの活躍を見ていると、「強さとはデカさ」というひとつの答えが脳裏をよぎる。 【写真】「チーム200キロ」女子プロレスラー・優宇フォトギャラリー 「チーム200キロ」――。158cm、100kgの橋本千紘と、156cm、100kgの優宇による、"巨大"タッグチームである。 入場曲はボン・ジョヴィの『It's My Life』。カメラを持った観客に向かって、至近距離で両手を力強く上げてポーズを取る。試合に勝利すると、ふたりで特大おにぎりを頬張る。「強さ」と、思わず笑ってしまうような「楽しさ」が彼女たちの世界観だ。 2019年7月にタッグを結成してから、とりわけ体を大きくしたのは優宇。かつては総合格闘技の試合に出場するために62キロまで絞ったこともあるというが、今の彼女は女子プロレス界でも類を見ない"デカさ"を誇る。 「昔は体が大きいことがコンプレックスでしたが、今は『デカいね』と言われるのがうれしい。普通の女の子がネガティブに感じることが、自分にとっては今すごく自信になっています。ここに来るまで、本当に時間がかかりました」 「デカいが個性」と胸を張って言えるようになるまで、彼女はどのような試練を乗り越えてきたのだろうか。 【小5で、高木三四郎に「入門させてください!」】 優宇は1991年、千葉県船橋市に生まれた。父、母、ふたつ下の妹の4人家族。両親はプロレス好きで、父はジャンボ鶴田のファン、母はビューティ・ペアのファン。しかし、ふたりの娘にプロレスの話をしたことはないという。 クラシックバレエ、ピアノ、習字、そろばん、水泳......たくさんの習い事を経験した優宇は、「将来、こんなふうにするつもりじゃなく育てられた」と笑う。小学校では陸上クラブに所属し、短距離走で活躍。家には賞状がズラリと並んでいた。 将来の夢は、お花屋さんかケーキ屋さん。しかし、本当になりたかったわけではない。そのように言えば、周りの大人は喜ぶと思ったのだ。