「頭のいい子の親」ほど育児で大切にしている3つのポイント
親はやりすぎず、頑張りすぎず、見守る――。それこそが、子どもの才能を伸ばし、幸せにする近道です。教育専門家の小川大介さんが、「見守る子育て」の重要性について語ります。 【図】東大生の幼少期の習い事ランキング ※本稿は『PHPのびのび子育て』2020年10月号から一部抜粋・編集したものです。
「見守る」子育てで、頭のいい子に
愛するわが子に幸せになってほしい――。親なら誰もが願うことです。でもそれゆえに、「与えすぎ」「詰め込みすぎ」て、ガミガミと子どものことを叱ったりしている親御さんを、これまで多く見てきました。 私は中学受験を専門とする個別指導塾の代表を長く務め、6000組を超えるご家族と面談してきました。その経験を通して気づいたのは、多くを与えられ、手取り足取り面倒を見てもらったお子さんは、途中で伸び悩んでしまうことが多いということ。 一方で、自由な時間をもち、親に見守られて好きなことに熱中した経験があるお子さんは、たとえつまずいてもあきらめることなくやり遂げ、成績も伸びていくということでした。
子どもの「自分軸」を育てる
これからの時代に求められるのは、自分ならではの強みを発揮できる「自分軸(自分なりの判断基準)」をもった子です。たった1つでも「自分はこれが得意だ」と言えるものがあり、自分で考えて決断し、行動できる子が、これからの時代における「頭のいい子」だと言えるでしょう。 わが子の強み、自分軸を育てるために、親は与えすぎず、詰め込みすぎず、子どもの「好き」を見つけて応援し、見守ることが大事です。どんな子も、自ら学び、成長する力をもっています。親は子どものよきサポーターとなり、子どもが幸せな人生を送れるように温かい目で見守っていきましょう。
子どもを伸ばすには、この3つが大事です!
わが子の強み、自分軸を育てるために、「認める」「見守る」「待つ」、この3つを心がけましょう。 1. 認める ~安心感を与える ここで言う「認める」とは、子どもの言うことを何でも聞くということでも、よくできたと評価するということでもありません。「存在を認める」ということです。 たとえば、子どもが何かを欲しがったときに「そんなもの、いらないでしょ!」と言えば、子どもを否定したことになります。そうではなく、「それが欲しいんだね」と子どもの言い分をいったん聞く。つまり、「子どものあるがままを一度受けとめる」ことが大事なのです。それだけで子どもは安心し、自己肯定感が高まり、自分軸も育っていきます。 2. 見守る ~自主性を育てる わが子につらい思いをさせたくない、失敗させたくないという親心から、つい指示が増えたり、あれこれ手を出してしまうのもよくわかります。でもそれでは、子どもが自ら考え、行動する力、自分軸が育ちません。 「見守る」とは、子どもの成長に合わせ、どこまで任せるのかを判断し、子どもとの距離感を選び直すことです。適切に見守るためには、「子どもの今日の姿」をよく見る必要があります。昨日できなかったことが今日はできている、それが子どもです。余計な手出しをせずに見守ることは、子どもへの信頼、ひいては子どもの自立へとつながります。 3. 待つ ~自信を与える 子どもができるまで「待つ」というのは、とても忍耐がいることでしょう。でも、親が待つことで、子どもは「自分でやりきった」という達成感を得られ、それが自信となり、次のやる気へとつながっていきます。 親は子どもに対し、「この子なら大丈夫」と、根拠のない自信をもつことが大事です。そうすれば、子どもを信じて待つことができます。 ただし、ただ待てばいいということではなく、今の能力で対処できない壁に子どもが突き当たったときは、助けることも必要です。しっかり見守りながら、必要な場面ではサポートしましょう。