清宮に最大6球団? 競合覚悟か、単独か、どっちが得かを考えてみよう!
運命のドラフト会議の日がやってきた。 果たして早実の清宮幸太郎に何球団が競合するのか。前日の編成会議を終えたソフトバンクも25日、1位指名を正式表明した。同じく阪神の金本監督は、「いい選手であることは百何本も打っている数字が物語っている。柔らかさもあり、飛ばす技術、捉える技術もある」と、改めて1位指名を表明。「6、7球団はくるかも」と、清宮への競合チーム数を予想した。 これで清宮1位を公表したのは、阪神、ヤクルト、ソフトバンクの3球団。10月2日の面談で唯一、球団社長までが出馬して誠意を伝えた巨人と、清宮の入団に備えてか、早実の大先輩となる元ヤクルトの荒木大輔氏を2軍監督に据えた日ハムも指名濃厚と見られており、計5球団は確実と予想される。 逆に清宮を回避したのが、地元広陵の中村奨成捕手の1位指名を早々に明らかにした広島と、JR東日本の左腕、田嶋大樹に照準を定めたオリックス、西武の3球団。さらに中日、楽天も、清宮を外した場合のリスクを考えて清宮を回避して“1本釣り”に動くと見られている。 微妙なのが横浜DeNAとロッテの2球団。ロッテは、1位指名候補を「高校生野手」と明らかにしたが、もしも、清宮でいくならば、こういう回りくどい言い方はしないだろう。清宮よりも、三塁を守れる履正社の安田尚憲が濃厚。これらの各球団の動向から考えると、清宮の1位指名に動くのは最大で6球団か。 清宮への競合球団が、かぶればかぶるほど回避した球団は、単独指名で有力候補を確保することができる。それだけに外した場合のリスクを考慮して、当日朝まで、最終決定を引き延ばす球団も少なくない。会議の直前まで、各球団の駆け引き、情報戦は続くのである。 では、清宮の競合指名と、回避した上での単独指名と、どちらがが得なのか。 元ヤクルトの名スカウト、片岡宏雄氏に聞くと、「競合か、単独かは、チーム成績や戦力の充実度など置かれた状況による。ソフトバンクのように選手層が厚く、特に投手にも困っていないようなチームは、競合覚悟で清宮に勝負ができるが、戦力不足が切実で、ドラフトに頼りたいチームは、単独指名で確実に即戦力の補強に乗り出す必要がある。全体的にドラフト候補が揃わない今年のような年は、外れ1位で、失敗する危険があるからなおさらだ」と言う。