青森リンゴ 前年の猛暑やマメコバチ減少の影響懸念も 収量少なめながら食味は良好
青森朝日放送
2023年の猛暑やマメコバチの減少といった影響を懸念していたリンゴ生産者も収穫期を迎えました。気候の変化など難しい環境が続く中、将来にわたってリンゴ栽培ができるよう生産者も知恵をしぼっています。 青森市浪岡の長尾泰孝さんのリンゴ園では、葉取らずふじが収穫期を迎えました。 長尾さんは5月…。 【リンゴ生産者 長尾泰孝さん】(5月取材) 「人工授粉を行った木についてはある程度うまくいっているのですけれども、マメコバチに任せてしまった木はあまり受粉が上手くいっていない状況で、カラマツという不受精果が非常に多いですね」 「今年に関していえば、マメコバチの受粉があまりいうまくいかなかったというのは、品質の良いリンゴを作るといううえで影響が大きいのかなと思います」 県内のリンゴ園で5月に行われた調査では、良質な果実となる「中心果」の結実率は最も高い園地で83%、低い園地で18%とばらつきがあり、2023年の猛暑とマメコバチの減少の影響が心配されていました。 【リンゴ生産者 長尾泰孝さん】 「マメコバチの数の低下ですとか、前年の気象の影響もあって収量自体はやや少なめかなという印象はあるのですけれど、今年は秋の天候には恵まれまして、リンゴの品質・食味自体は良い状態に仕上がっているのかなと思います」 「糖度も割と高い数値になっておりまして、非常に濃い食味になっているのかなと思います」 しかし、2025年もマメコバチの活動量が少ないことが見込まれることに気をもんでいます。 【リンゴ生産者 長尾泰孝さん】 「冬期間のハチの巣の管理ですとか、あとは人工授粉の割合を増やしていくとか、そういった所で受粉の対策を行っていくのが重要なのではないかと考えています」 巣の管理というのは。 【リンゴ生産者 長尾泰孝さん】 「冬期間に巣の筒を割って、ダニを取り除くことでマメコバチの個体数を維持していくことができるので、そういった点の管理をしっかりやっていければなと思っています」 一方で、人工授粉を増やすことも対策の一つとはなりますが、簡単ではありません。 【リンゴ生産者 長尾泰孝さん】 (Q.人工授粉の大変さは)「受粉を行える日数が非常に少なくて、限られているので、その中で多く人を投入して、なるべく多くの面積を行っていくことになっていくのですけれども、そういった面での労力不足というのはやはりある」 受粉に使う機械や花粉は高価で、人工授粉の割合を増やすかは、今後検討していくということです。 【リンゴ生産者 長尾泰孝さん】 「温暖化の影響もあって、気候的にリンゴを作るのが非常に難しい環境になってきていると思うのですけれど、その中で上手く資材を使っていくとか、樹形の作り方を工夫していくとか、そういった工夫が農家にも求められているのではないかと思っています」