天文台にかかる虹 アメリカのキットピーク国立天文台で撮影
たとえば近年盛んに研究が進められている太陽系外惑星の分野では、惑星の公転にともなってわずかに揺れ動く恒星の動きをスペクトル線の周期的な変化として捉えることができます。恒星の動きをもとに系外惑星の情報を得る手法は「視線速度法」や「ドップラーシフト法」と呼ばれていて、惑星の公転周期や最小質量を求めることができます。 また、大気を持つ惑星が恒星の手前を横切る「トランジット」という現象を起こしている時の恒星のスペクトルは透過スペクトルと呼ばれていて、惑星の大気を通過してきた光がごくわずかに含まれています。透過スペクトルをトランジットが起きていない時のスペクトルと比較すると、透過スペクトルに現れた吸収線をもとに惑星の大気に存在する物質を調べることができます。このように、現代の天文学では分光観測を通して天体の様々な情報を得ているのです。 冒頭のキットピーク国立天文台にかかる虹の画像は、NOIRLabから“今週の画像”として2024年3月20日付で公開されています。 Source NOIRLab - Primitive Spectroscopy above KPNO
sorae編集部