なぜ港区OLが“海外”のマラソン沼にハマったのか?「日本は『速く走る』ことへのこだわりがズバ抜けている」<RS of the Year 2023>
150kg超えの人、片足がない人も…アメリカのマラソンで見た衝撃の光景
――ロサンゼルスマラソンでは、マラソンにハマるような出来事があったのですか? 鈴木:ロサンゼルスマラソンは楽しかったんですよ。ホノルルはやっぱり暑くて、ダイヤモンドヘッドの周りを走るのでコースも結構険しくて。一方でロサンゼルスは2016年のバレンタインデーの時期で、チャイナタウンから日本人街、チャイニーズシアターの前を通ってビバリーヒルズ、最後サンタモニカビーチという、(街中の)王道コース。 あと、2~3kmごとにDJがいてセンスのいいリミックスを流していて、応援している人たちの雰囲気も「ウェ~イ!」みたいなハイテンションで。やっぱり長距離を走るのってきついイメージがあったんですよ。でも、「けっこう楽しいじゃん!」みたいな気持ちになっていったんですよね。 ――国によって、コースだけでなく雰囲気も違うんですね。 鈴木:基本的に、日本以外はだいたいにぎやかですね。日本の場合は東京マラソンのような大きなレースでも、沿道には人がたくさん立っているんですけど、基本的には知っている人だけを応援する傾向があります。海外では、知らない人からも応援されたり、ゼッケンに書いてある名前を呼んでくれたりするので、一人で走っていても応援してもらえるんです。 ――なるほど。ロサンゼルスでマラソンの楽しさに目覚めていったのですね。 鈴木:はい。そしてその後、ロサンゼルスマラソンの会場で紹介されていたシカゴマラソンに応募したら当選したんです。シカゴマラソンは世界でも大きな大会といわれている6大会の一つで。たまたま大会が行われた10月ごろに、ボストンの友だちに会いにいく予定があったので、ちょうどええやんけ、と。シカゴは大きい大会ということもあってロサンゼルスより人が絶えず、ずっと賑やかでした。 ――初めてホノルルマラソンに参加してから1年の間に、いつの間にかアメリカで3つのレースに参加されたんですね。 鈴木:はい。アメリカのマラソンのスゴイところは、まず体重150kgを超えていそうな人や、片足がない人とかも一緒に出ているんです。何かにチャレンジをしている人たちの姿を見ると元気をもらえますし、元気をもらった人たちが応援することによって、頑張っている人たちもさらに元気になれる。これってすごくナイスサイクルじゃんって思うんです。