生えている雑草でわかる!?あなたの畑の土壌酸度は?【やさいの時間12・1月号こぼれ話】
『やさいの時間』12・1月号「畑の菌活 この冬 畑を休ませない!」では、冬の間も土の温度を暖かい状態に保つことで、春からも野菜が育ちやすい畑になることと、そのための野菜や緑肥の栽培法、土作りについて掲載しています。野菜の育ちやすさには「土壌酸度」も重要。今回の「こぼれ話」では、雑草と土壌酸度の関係について紹介します。
土壌酸度とは?
土壌酸度とは、土が酸性かアルカリ性かを示す指標で、pHの単位で表します。pH7.0が中性で、それ未満が酸性、それより数値が大きければアルカリ性です。 野菜にはそれぞれ適した土壌酸度があり、栽培前に土壌酸時計やpH測定キットなどを使い、酸度を計測、調整する必要があります。ただし、その土地に生えている雑草で、土壌酸度を推測することもできます。
pH6.5以上の土壌に生えやすい雑草
・ハコベ ・ホトケノザ ・オオイヌノフグリ など このような雑草が生えていると、pH6.5以上と推測することができ、ホウレンソウやタマネギの栽培に向いている土壌であると言えます。
pH6.0~6.5の土壌に生えやすい雑草
・コニシキソウ ・ナズナ ・レンゲソウ など このような雑草が生えていると、pH6.0~6.5の土壌と推測されます。トマトやナス、キュウリやニンジン、キャベツなど多くの野菜が育ちやすい土壌酸度です。
pH5.5~6.0の土壌に生えやすい雑草
・カタバミ ・アカザ ・オオバコ ・ギシギシ など このような雑草が生えていると、pH5.5~6.0の土壌と推測されます。サツマイモやサトイモの栽培に向いています。
pH5.0~5.5の土壌に生えやすい雑草
・スギナ ・スズメノテッポウ ・シロツメクサ など このような雑草が生えていると、pH5.0~5.5の土壌と推測されます。ジャガイモが好む酸性の土壌です。ジャガイモ以外の多くの野菜の栽培には向かないので、有機石灰などで土壌酸度を調整するとよいでしょう。
畑の状態を知る一つの目安として、雑草に注目してみてください。 教えてくれた人/能登山 修(のとやま・おさむ) 有機無農薬栽培研究家。15年間ほど有機栽培を実践したのち、2015年より貸農園「シェア畑」の菜園アドバイザーを務める。農園や、YouTube「シェア畑 -農園らいふ-」で有機栽培の普及活動に取り組んでいる。 次回の「こぼれ話」では、畑の水やりのお悩みについて、野菜作りの達人のアドバイスを紹介します。お楽しみに!〈12月中旬公開予定〉 ●『やさいの時間』編集部によるテキストこぼれ話。誌面で紹介しきれなかったお役立ち情報を、ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」で公開!【不定期公開】