「大谷豪邸報道」「ポツンと一軒家」に覚える“不安” 上空から自宅を映すことの危険性を日本人は知らない
最近のアメリカで多い強盗として、「Follow-home robbery」、直訳すると「尾行強盗」というものがある。これは昔からある手口ではあるが、ターゲットを定め、出先からついていき、ひと気のない場所に差し掛かったところで襲うという犯行だ。 空港などで身なりのいい人を見つけたときなど、目をつけた場所から車で追随し、タイミングを見計らって強盗におよぶ。 もし大谷選手を街中で発見し、あとをつける強盗が上空からの映像を見ていた場合、ターゲットの自宅情報は事前にわかっている状態だ。入念に準備をしたうえで、門から入るところを襲うことも容易いだろう。
特にロサンゼルスはスポーツ選手やハリウッドスターなど、多くのセレブが住む街だ。現地では彼らや高級店を狙った強盗は数多く起きており、大谷選手ほどの高年俸の有名スポーツ選手の家が詳細に報じられてしまったことに恐ろしさを覚える。 というのも、今回は現地メディアがまず大谷選手の自宅を報じてしまったわけだが、もともとアメリカでは、パパラッチ以外のマスメディアがここまでプライバシーを侵害した報道をすることは多くない。向こうではプライバシーを尊重することへの意識が高いし、万が一、報道されたセレブ側から訴えられようものなら、莫大な損害賠償を支払うことになる。
だからこそ、日本メディアが「ここが大谷選手の自宅です!」とリポーターが押しかけ、近所の人へインタビューまでしてしまったとなると、現地メディアも驚いたことだろう。日本国内では、そこまで詳細に有名人の自宅を報じることはないのに、遠く離れたアメリカだから大丈夫だとテレビ局は判断したのだろうか。 しかし、今や遠隔でも犯罪が可能になる時代。危険因子は現地の犯罪者だけではない。ルフィ事件で記憶に新しいが、日本で大谷選手の自宅報道を目にした日本人が犯罪計画を立て、現地の人間を遠隔で動かして襲わせるということも、やろうと思えばできてしまう。