119番、現場の映像スマホで送信 状況把握し救命率アップへ ちば消防共同指令センターが5月から運用開始
千葉市消防局など県北東部・南部地域の計20消防本部が共同運用する「ちば消防共同指令センター」(千葉市中央区)は、5月1日から火事や救急などの119番通報者が現場の映像をスマートフォンで同センターに送ることができる「映像通報システム(Live119)」を導入する。傷病者の状態や現場の詳しい状況がリアルタイムで把握でき、救命率の向上などが期待できるとしている。通報時に映像を活用するシステムは110番通報でも昨年4月から運用されている。 県内の119番通報は船橋市を除き千葉市と松戸市にある共同指令センター2カ所で受け付けている。ちば消防共同指令センターが管轄する千葉市や市原市、銚子市、館山市など計43市町村が1日午前8時半からLive119の活用対象エリアになる。 Live119は通報者と同センターの指令管制員が映像の送受信を行えるシステム。スマホからの通報を受けた同管制員が必要と判断した場合、通報者に映像送信への協力を依頼し、接続用URLをショートメールで送信する。通報者は撮影中も音声が聞こえるようにスマホをスピーカーに切り替えた上、URLにアクセスするなどして撮影すると、映像が同センターに伝送される。 千葉市消防局によると、音声に加えて映像で現場の詳細が分かるため、状況に応じた迅速、的確な消防・救急活動が可能になる。通報者が地理に不案内な場合でも周辺の映像から出動場所を早期に特定できるという。 また、通報者が傷病者に応急手当をする際は同管制員が映像を見ながら方法を指導。必要に応じて応急手当のやり方が分かる動画を通報者に送信する。 同局の担当者は「音声だけだと現場の状況把握が難しく、山岳遭難などでは現場の特定に時間がかかった。現場で安全を確認して協力してほしい」としている。