“ヒップフォーク”の「ビリケン」が新曲「神田川」を思い出の地で披露
フォークソングとヒップホップのリズムとラップを融合させた“ヒップフォーク”スタイルで、どこか懐かしくも新しい独自の世界観を持つ男性2人組ユニット「ビリケン」が15日、新曲「神田川」の発売イベントを都内で行った。 当初、錦糸町駅南口にてストリートライブを行う予定だったが、この日はあいにくの雨に。セキネ楽器の店舗の軒先へ場所を移動してのイベント開催となった。 03年に「nagoriyuki」でデビューし、オリジナル曲「あるいてゆこう」がテレビアニメ「毎日かあさん」のオープニングテーマに起用されてスマッシュヒットするなど、活躍の場を広げているビリケンだが、デビュー以前から都内各所でストリートライブを頻繁に行っていた。錦糸町南口もその一つで、デビュー4周年の夜にもストリートライブを実施した、2人にとって思い出深い場所だ。 ビリー(ボーカル&ギター担当)は「(当時は自信がなくて)お客様の足の方ばかり見ていた」と振り返る。 一方のオクダ ケン(ラップ担当)も「僕も全然お客様の顔を見られなくて。今も見られなくて、上の方を見ている」と冗談交じりに話した。 そんな2人にとっては原点ともいえるストリートライブとなったわけだが、「今も昔も変わらない何か“あったかいもの”を伝えたい、そういう気持ちは(ストリートライブをしていた頃から)ずっと変わっていない」と胸中を吐露した。 2人にとってCDシングルとしては3年ぶりのリリースとなる今作は、フォークグループ「かぐや姫」の大ヒット曲「神田川」をビリケン流にアレンジ。カップリングには「太陽がくれた季節」(原曲:「青い三角定規」)、「ふれあい」(原曲:中村雅俊)、「冬が来る前に」(原曲:紙ふうせん)を収録。 12年11月にはフランスの国連ユネスコ・パリ本部、今年1月には米国のニューヨークのカーネギーホールと海外でもイベント出演してきた「ビリケン」だが、そうした中で「やはり、日本人らしい楽曲を伝えたい」と感じたことが、今作の生まれるキッカケになったそうで、ビリーのどこか郷愁を思わせる温もりのある素朴な声とアコースティックギターの“王道フォーク”に、オクダ ケンのラップという絶妙なアクセントが加わっている曲だ。 イベントでは、デビュー曲「nagoriyuki」や「神田川」など全4曲を披露。 冷たい雨が降る中にもかかわらず、若い女性から会社員の男性まで、幅広い世代の人々が足を止め、2人の温かい“ヒップフォーク”に耳を傾けていた。 「“どこでも歌えるアーティスト”として、たくさんの方々に楽曲を聴いて頂きたい」と抱負を語る2人の今後に要注目だ。