「よし! 打ちま～す」「砂を元に戻さないとダメよ」

ゴルフのルールをクイズ形式で分かりやすく解説。今回は、バンカーで砂に覆われたボールを捜索する際の注意点について。

　　＊　　＊　　＊ パー3のティーショットはハーフトップ気味で低い球に。グリーン手前にはバンカー……。 「越えてぇぇぇ」 しかし願いもむなしくボールはバンカーへ。 行ってみると、バンカー内にボールは見当たらない。 「もしかしてアゴに埋まっちゃったのかも……」 バンカーレーキを使ってボールの落下地点付近の砂を削っていると――

「ボール発見!」

「あった!」 ボールの頭が見え、ちょうどロゴも見えたので自分のボールに間違いない。 「うーん、出るか分からないけど、頑張って打ってみよう!」 ところがそのとき同伴者から物言いが。 「待って!　砂を元の状態に戻さないと2罰打よ」 なんですと??　ボールがちょっと見えるぐらいならOKじゃないの?

砂に埋まった球を捜索するために砂を動かし、球のほんの一部が見えたところで自分の球と確認できた。このあと砂を元の状態に戻す必要はある?

A. 元に戻さなければならない B. 元に戻す必要はない 果たして正しいのは? --------

B「元の状態に戻す必要はない」 プレーヤーは、バンカー内で球を捜索する際に、合理的な範囲で砂を動かすことは認められている。球の捜索によりその球のライが改善された場合、元のライを復元しなければならない。ライを復元せずにその球をプレーした場合、2罰打を受ける。ただし今回のように、球が砂に覆われていた場合は、元の状態に戻す必要はなく、その球のほんの一部が見えるようにしておくことができる（規則7.1b）。また、球を捜索する際に偶然に球を動かしてしまった場合は罰はなく、球を元の箇所にリプレースする（規則7.4）。 監修：JLPGA競技委員・阿蘇紀子、中﨑典子　撮影：岡沢裕行 週刊ゴルフダイジェスト11月28日号より一部改