米ロビンフッド、大統領選挙の「賭け」サービスを開始 最大76万円の払い戻し
株式や暗号資産などの取引サービスを提供する米ロビンフッドは10月28日、大統領選挙の結果に賭けが行えるサービスの米国市民向けの提供を開始した。同サイトのユーザーは、当選候補を的中させた場合、最大5000ドル(約76万円)の払い戻しを受け取れる。 ロビンフッドは28日、米国市民向けにドナルド・トランプとカマラ・ハリスのどちらが大統領選で勝利するかに賭けを行うデリバティブ契約の提供を開始すると発表した。この契約の価格は、各候補者の勝利の確率に基づき0.02ドルから0.99ドルの範囲で設定され、どちらが勝つかを正しく予測したユーザーは1ドルの払い戻しを受け取れる。 ロビンフッド広報担当者のクリスティーナ・トレホによると、ユーザーは最大5000件の契約を購入できるという。このため、当選候補を的中させた場合、ユーザーは最大で5000ドルの払い戻しを得る可能性がある。支払いは2025年1月7日から8日に行われる。 ロビンフッドは、すでに選挙への賭けを提供しているプラットフォームのPolymarket(ポリマーケット)やKalshi(カルシ)、PredictIt(プレディクトイット)らに続いて、この市場に参入した。選挙への賭けは、今年の大統領選で大きな話題となっており、今月初めにトランプはこの動きを称賛していた。 米商品先物取引委員会(CFTC)は、このような賭けが選挙の公正性を脅かす可能性があるとして懸念を示しているが、連邦裁判所は最近、カルシに対するCFTCの訴えを退ける判決を下していた。 一方、ブロックチェーンベースのプラットフォームであるポリマーケットは、海外で運営されており米国外の居住者のみが賭けを行うことができる。そのため、ユーザーの賭けの上限が比較的低く抑えられている米国のプラットフォームとは異なり、フランスのある投資家はポリマーケット上でトランプの勝利に約3000万ドル(約46億円)を賭けている。 選挙の賭けサイトのデータを集計するElection Betting Oddsのデータによると、主要な賭け市場でのトランプ勝利の確率は、62%とされている。これに対し、世論調査結果を集計するファイブサーティエイトは、トランプ勝利の確率を54%と見積もっており、統計学者のネイト・シルバーは自身のサイトで52.9%と見積もっている。 仮にロビンフッドの市場がトランプ勝利の確率を62%とする場合、ユーザーはトランプの勝利への賭けを0.62ドル、ハリスの勝利への賭けを0.38ドルで購入できる。つまり、これらのユーザーは、トランプの勝利から約60%、ハリスの勝利から約160%のリターンを得ることになる。
Derek Saul