今季のスキー場は期待大! 雪不足に悩んだ昨季から一転 年末年始に向けて上々の滑り出し【宮城発】
スキー場の営業が始まり、いよいよ本格的なウインタースポーツの季節に入った。前年は記録的な暖冬に悩まされ、売り上げが10分の1程度というスキー場もあった中、2024年は数年ぶりに初日から滑走可能となるなど、滑り出しは上々だ。3カ月予報でも雪の量は「平年並か多い」と予想されていて、今季は久しぶりにスキー三昧の年末年始が可能となりそうだ。 雪不足に悩んだゲレンデが今季はまったく違う景色に
2年ぶりに初日滑走可
宮城県の北西、大崎市にあるオニコウベスキー場。温泉街にも近く、初級者から上級者まで幅広く楽しめるコース設計が人気のスキー場だ。秋田と山形の県境に接し標高も高いため、宮城県内のスキー場の中でも比較的積雪量は多いのだが、昨季は雪不足でわずか50日しか営業できず、来場者は例年の4割に留まった。 2024シーズンは12月13日にオープン。積雪は20センチから70センチで、2年ぶりにオープン初日から滑走可能となった。昨季は営業期間が短く4、5回しか来られなかったという常連客も「今シーズンは雪も多いし、毎日滑りたい」と笑顔で話していた。今季の営業は3月23日まで予定しているという。
仙台近郊のスキー場も積雪十分
仙台市民にとって最も身近な泉ヶ岳にあるスキー場も前シーズンとは様変わりしていた。泉ヶ岳スキー場は昨季、雪不足のために例年より1カ月早く営業を終了。売り上げは例年の10分の1に落ち込み、運営会社も「緊急事態」とため息をつく状況だった。 ところが今季は状況が一転。泉ヶ岳スキー場と同じ泉ヶ岳にあるスプリングバレー仙台泉スキー場では12月12日に安全祈願祭が行われた時点で、ふもとで30センチ、山頂で50センチの積雪があった。オープン前からこれだけの雪があるのは久しぶりだという。営業開始は当初、12月17日を予定していたが、積雪が多かったことから14日にプレオープンという形で営業を前倒し。今季のにぎわいに大きな期待を寄せていた。
山沿いで雪が多い見込み
気象庁の3カ月予報によると、今冬の雪の量は日本海側で「平年並か多い」予想だ。南米ペルー沖で海面水温が低くなるラニーニャ現象の特徴が明瞭となり、日本列島に寒気が流れ込みやすくなっているためで、日本海側からの雪雲が流れ込む宮城県西部の山沿いでも雪が多くなることが予想されている。 最新の1カ月予報では、特に1月前半にかけて冬型の気圧配置が強まりやすく、その傾向が顕著に現れる予想となっている。日本海側ではより雪が降りやすい状況となり、宮城県など太平洋側も山沿いでは雪の量が増えていく見込みだ。
年末年始へ期待大きく
天候に左右されるスキー場。今年3月には慢性的な雪不足などを理由に宮城県川崎町のセントメリースキー場が事業継続を断念し、35年の歴史に幕を下ろした。 スキー場にとって厳しい“冬の時代”は続いているが、それぞれのスキー場を取材すると、久しぶりの好スタートとなった今季にかける意気込みが伝わってきた。特に年末年始は最大9連休と絶好のチャンス。昨季は断念したという人も多い中、久しぶりに家族や友人とスキーやスノーボードを楽しんでみてはいかがだろうか。
仙台放送