山形駅-七日町、周遊促進めざす 9、10日に山形市が試験イベント
山形市は、JR山形駅東口周辺で計画する「日本一の観光案内所」整備事業に関し、案内所に備える機能などを具現化するためのトライアル事業を展開する。山形駅と、リノベーション中の老舗料亭・旧千歳館(同市七日町4丁目)の連携を重視したイベントを9、10の両日に実施する。中心市街地への周遊を促す試みで、観光振興に必要な視点を探る。 山形駅―七日町エリア間の人の流れを活発化することを課題に、昨年まで旧千歳館で実施していた催しの規模を拡大した。イベント会場は▽山形駅東西自由通路▽中心市街地▽旧千歳館と花小路―の三つのエリアに設定した。旧千歳館ではやまがた舞子の演舞や伝統文化体験があり、同所周辺に計五つの飲食ブースを設ける。山形駅では、東北芸術工科大生による伝統技法を生かした作品の展示・販売などを企画する。 各観光スポットを回り、商品券などが当たるスタンプラリーも行う。エリア間の移動は、電動アシスト自転車を活用した市のコミュニティサイクルや、コミュニティバス「ベニちゃんバス」の利用を呼びかけており、来場者アンケートを通じて利用率を把握する。
日本一の観光案内所の整備を巡り、市は旧山形ビブレ跡地を活用するため地権者と調整を続ける。併せて基本構想を策定中で、現時点で公表している素案では、駅の東西自由通路エリアなども観光案内所と見立てることで、観光の満足度を高める取り組みを一体的に進める方針を掲げている。 イベントは日本人の伝統的な世界観「ハレとケ」にちなみ、「やまがた秋のハレとケまつり」と銘打ち開催する。日本一の観光案内所には、街なかへの周遊を促す案内や体験機能を持たせることを検討しており、市は「周遊促進が一つのミッションであり、そのトライアル事業としたい」としている。