年収の壁、企業に補助金決定 1人最大50万円、10月導入
政府は27日、配偶者に扶養されるパート従業員らが一定の年収になると、年金などの社会保険料負担が発生するのを避けるため働く時間を抑える「年収の壁」への対策を決定した。従業員101人以上の企業での「106万円の壁」対策として、保険料を肩代わりする企業に対し、従業員1人当たり最大50万円の補助金を支給する。対象人数に上限は設けない。10月から導入する。 【年収の壁のイメージ】年収130万円超、2年まで扶養 企業規模で異なる「壁」
企業が補助金を活用し、従業員に最大2年間支給できる「社会保険適用促進手当」も創設する。対策は当面の措置とし、抜本的な解決策は2025年の年金制度改正に向けて検討する。 会社員らに扶養されるパート従業員らは「第3号被保険者」と呼ばれ一定の収入まで保険料がかからない。10月からの最低賃金の引き上げにより、年収の壁を意識して労働時間を抑える動きが広がる可能性がある。人手不足に悩む企業が対応を求めていた。
